約 3,309,984 件
https://w.atwiki.jp/ksgmatome/pages/288.html
携帯機「クソゲー」の執筆依頼は、ゲームカタログ執筆依頼へ移しました。
https://w.atwiki.jp/tlom_magi/pages/664.html
ファーランに連れられた「マギ」と呼ばれる少年。 ルフの声を聴き、バルバロッサを「バル」と呼ぶ。 「マギ」本編のジュダルについてははこちら→ジュダル
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/1988.html
オフワールド・インターセプター エクストリーム 【おふわーるどいんたーせぷたーえくすとりーむ】 ジャンル オフロードシューティング 対応機種 プレイステーションセガサターン 発売元 BMGビクター 開発元 CRYSTAL DYNAMICS 発売日 1995年11月22日 定価 6,090円(税込) 判定 なし ポイント コッテコテに煮詰まったアメリカンゲーム 概要 システム 評価点 問題点 アメリカンな点 総評 概要 割と珍しい、3D陸戦型シューティング。現在に至るまで類似したゲームの少ないジャンルである。 元は1994年にクリスタル・ダイナミクスが3DOで発売した『Off-World Interceptor』(*1)をPS/SSへ移植するに当たり、システムに調整が入ったことで前述のタイトルに改題されたものである。 システム 後方視点型3Dシューティング。自機は車である。 フィールドは非常にアップダウンが激しく、自機にはジャンプ機能が搭載されている。 ジャンプゲージ消費でホバリングも可能。ゲージは時間で回復する。 ライフ+残機制である。ライフがゼロになるとそのステージの最初から。残機がなくなるとゲームオーバー。 敵の攻撃をかいくぐりつつ、ステージの終点を目指す。 道中には様々なアイテムが落ちている。以下詳細。 コイン…銀、金があり入手するとお金になる。 ニトロ…一定時間スピードを上げるニトロの使用回数が増える。 ミサイル…ミサイルのストックが増える。ミサイルの性能は自機の種類により異なる。 ショット…通常ショットの威力が上がる。一段階だけ。ステージクリアしても引き継がれるが、ミスで失われる。 エアストライキ…画面内の敵を一掃する爆弾をストックする。 修理…ライフ回復。全回復の「完全修理」もある。 プラズマ…後方にばらまく地雷をストック。 クローン…残機+1。 無敵…そのまま。一定時間無敵になる。 パラメーターアップ…自機の性能を高める。各パラメーターに対応しており、滅多に落ちていない。 ステージクリア後はクリアタイムに応じた賞金が得られる。 この賞金を使って自機を強化したり、新しい機体を購入できる。また各種お役立ちアイテムも購入できる。 5つの惑星に各4~6ステージある。さらに隠しステージも…? 各惑星の最後に現れるボスは賞金首であり、非常に強いが倒せると莫大な賞金が手に入る。 2人プレイ用のバトルモードもある。 相手マシン撃破で勝利である。 評価点 とにかく荒れ果てた荒野を4WDマシンでかっ飛ばすのが気持ちいい。 類似したゲーム性の作品が少ないこともあり、希少価値は高い。 難易度は低め。あまり深く考えずにひたすらステージ奥を目指すだけ、というシンプルな目的もいい。 賞金でマシンを好きにカスタマイズできる。足りない能力を補うもよし、長所を伸ばすもよし。 BGMも非常にノリが良く、聞いていて爽快感がある(ただしPS版とSS版で若干異なる)。 問題点 賞金支給の形態と、新規マシン購入方式。 一度クリアしたステージには引き返せず、賞金は一度しか手に入らない。このためパワーアップに限界が生じている。 それだけならまだしも、購入済みマシンの再使用不可という仕様がこれに拍車をかける。 一度大金を払って買ったマシンなのに、乗り換えようとすると再び金を払う必要がある。ステージに合わせて乗り換えることが出来ないのである。 乗り換えに金がかかるということもあり、安い機体の改造に資金を投入するのがもったいなく感じてしまう。 好きなステージを遊べる「アーケードモード」もあるが、こちらは完全に独立しているので賞金の使い回しはできない。 全体的に難易度は大味。熟練シューターにはあまり向いていない。 セーブ方法は、なぜかこの時代にパスワード制。 しかし、パスワードをメモリーカードに保存するという機能があるため問題はない(これはPS版のみでSS版には搭載されてない)。…パスワードの意義は? グラフィックレベルもあまり高くない。 背景はよく出来ているのだが、主に敵キャラの造形が適当。スーファミレベルにも見える。 アメリカンな点 舞台は、一応地球から遠く離れた異境の惑星である。 にもかかわらずサボテンやら椰子の木やらが生えているのは一体どういうことなのだろう? ストーリーの合間には実写で物語が説明される。 これがまた、日本人が想像するB級スペオペそのままである。 全体的なガジェットがいかにも1950年代風。しかも、その中を闊歩する賞金稼ぎが半裸に鉄の鎧とすさまじく前時代的なのが笑いを誘う。 台詞回しもまさしく洋画のそれである。 ちなみにゲームオーバー時にも実写のムービーが流れるのだが、惑星によって内容が違う。妙なこだわりである。 残機がクローン。倫理的にアリなのか? まぁTRPGの傑作『パラノイア』始め前例のない設定ではないが…。 しかし、普通のゲームではなかなか説明されない1UPの仕組みについて、論理的な解説を加えたのは評価できる…かもしれない。 ちなみにショップで購入できる。ただし200,000と馬鹿高い(銀貨が一枚200、最初のボスの賞金が丁度200,000)。 「エアストライキ」だが、グラフィック的にどこからどう見ても核爆弾である。 総評 純粋にシューティングゲームとしての完成度は微妙。レースゲーム+シューティングとして複合的に評価するべきかもしれない。 とりあえず、アップダウンの激しい無人の荒野を、敵の攻撃をかいくぐりつつかっ飛ばす爽快感は、他のゲームではなかなか味わえない楽しさである。 随所に散見されるツッコミどころも堪能してみると、さらに趣深い。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/1917.html
PROJECT X ZONE 【ぷろじぇくと くろすぞーん】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 ニンテンドー3DS メディア 1Gbyte3DSカード 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 モノリスソフト 発売日 2012年10月11日 定価 6,280円(税込) プレイ人数 1人 セーブデータ 15個+コンティニューセーブ1個 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 なし ポイント テンポが良くシナリオの悪い『ナムカプ』クロスするのはキャラ方面影の薄いオリジナル主人公周回プレイを妨げる致命的なバグ CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズセガ クロスオーバー関連作品シリーズバンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ 概要 参戦作品・加入ユニット一覧 システム 評価点 賛否両論点 問題点 シナリオ面 システム面 SRPGとしてのゲーム性の面 総評 余談 概要 『NAMCOxCAPCOM』(以下ナムカプ)に引き続き、バンダイナムコとカプコン、そしてセガの3社によるクロスオーバー作品。 システムは前述の『ナムカプ』に近いがストーリー上の直接的な関係はない。ただし、何らかのクロスオーバー作品で競演したキャラクター同士は顔見知りという事になっている。 『ナムカプ』を越える参戦作品の競演や洗練された戦闘システムはよい評価を得たものの、単調なシナリオが批判された。 参戦作品・加入ユニット一覧 + ... カプコン作品 ストリートファイターシリーズ ペアユニット リュウ ケン・マスターズ 春麗(モリガンとのペア) ソロユニット ハン・ジュリ バイオハザード リベレーションズ ペアユニット クリス・レッドフィールド ジル・バレンタイン ヴァンパイアシリーズ デミトリ・マキシモフ(ダンテとのペア) モリガン・アーンスランド(春麗とのペア) レイレイ(フランクとのペア) ロックマンXシリーズ エックス ゼロ デッドライジング フランク・ウェスト(レイレイとのペア) デビルメイクライシリーズ ダンテ(デミトリとのペア) ソロユニット レディ 魔界村 アーサー サイバーボッツ デビロット・ド・デスサタンIX世 ロックマンDASHシリーズ トロン・ボーン コブン ジャスティス学園シリーズ 一文字伐 セガ作品 サクラ大戦シリーズ ペアユニット 大神一郎(さくらとのペア) 真宮寺さくら(大神とのペア) エリカ・フォンティーヌ(ジェミニとのペア) ジェミニ・サンライズ(エリカとのペア) バーチャファイターシリーズ 結城晶 パイ・チェン シャイニング・フォース イクサ トウマ シリル 戦場のヴァルキュリア3 クルト・アーヴィング リエラ・マルセリス ソロユニット イムカ スペースチャンネル5 うらら ダイナマイト刑事シリーズ ブルーノ・デリンジャー ゾンビリベンジ 毒島力也 ファイティングバイパーズシリーズ バン エンド オブ エタニティ ペアユニット ゼファー リーンベル ソロユニット ヴァシュロン バンダイナムコ作品 鉄拳シリーズ ペアユニット 風間仁 リン・シャオユウ ソロユニット アリサ・ボスコノビッチ 三島平八 ゼノサーガシリーズ ペアユニット KOS-MOS T-elos .hackシリーズ カイト ブラックローズ 無限のフロンティアシリーズ ハーケン・ブロウニング 楠舞神夜 テイルズ オブ ヴェスペリア ユーリ・ローウェル エステル ソロユニット フレン・シーフォ スーパーロボット大戦シリーズ ゼンガー・ゾンボルト ゆめりあ ねねこ ゴッドイーターシリーズ ペアユニット ソーマ・シックザール アリサ・アミエーラ ソロユニット 雨宮リンドウ ワルキューレの冒険シリーズ ワルキューレ NAMCOxCAPCOM ペアユニット 有栖零児 小牟 ソロユニット 沙夜 本作オリジナル ペアユニット 天斎小吾郎 黄龍寺美依 システム ゲームのシステムは「ペアユニット」と呼ばれる二人一組のユニットに「ソロユニット」という1人ユニットを加入させ、3人1組で移動させる。『ナムカプ』とは違いソロユニットは単体で運用できない。 戦闘シーンではボタン入力によるコマンドで技を決めていく。格闘ゲームのような複雑さはなく、「方向+ボタン」といった単純なもの。 技の構成は戦闘シーン時に使える通常技として最大5つ、後述の必殺技で1つ、マップ上で使える複数技で1つと分かりやすい構成。 現在習得している通常技を全て入力すると攻撃可能数が1つ増えてダメージをより与えられるのだが、それを無視してゲージを貯めやすい技や状態異常にかけられる技を連発するなどの戦略もある。 また、吹っ飛ばして落ちて来た相手が地上すれすれにいる時に攻撃を当てるとクリティカルヒットとなり、与えるダメージがアップする。技の出の速さや敵の重さは異なるため、練習が大事。 コンボが決まると、「クロスゲージ」というエネルギーが溜まっていき、100%分消費して必殺技を発動することが可能。 威力は非常に高く、クリティカルヒットが出来れば非常に高いダメージをたたき出す。 しかし攻撃回数が0の時に着地させたり、相手のブロックを破れずに通常攻撃が出来なくなると必殺技が使えないため、使いどころが肝心。 加入しているソロユニットを呼び出す「ソロアタック」と、隣接している他のペアユニットを戦闘中に呼び出す「サポートアタック」を1戦闘につきそれぞれ1回使える。 これはダメージは低く、XPも加算されないが、ペア・ソロ・サポートの攻撃のどれか2つが同時に当たると「クロスヒット」となる。これが発動している間は敵の位置を固定し、XPも加算される様になり、クロスゲージが150%まで溜まるようになる。 変な位置で固定してしまうとそれ以降の攻撃を当てるのが難しくなるため、どのタイミングで当ててクロスヒットを発動させるかが重要になってくる。 マップシーンではキャラクターを移動させたり、コマンドで行動させたりできる。 アイテムの使用やスキルの発動で戦闘を有利に進めたり、宝箱の回収、障害物の破壊なども行える。 敵に倒されたユニットは、戦闘不能が敗北条件となっているユニットを除き、仲間が隣接しクロスゲージを100%、スキルや装備によっては50%消費することで「救援」をしてもらい復活することができる。 マップクリア後には「インターミッション」が行える。 ここでペアユニットとソロユニットの組み合わせを設定したり、装備を付けたりする。 様々な設定ができる戦闘練習も可能。 評価点 版権を越えたキャラクターの掛け合いの魅力。声優ネタやメタネタは勿論、熱い会話も多く原作を知っている人ならばニヤリとするものも。 原作がそれほどメジャーではない作品のキャラクターを本作で知った人もおり、未プレイ者に好印象を持たせている。 戦闘中は勿論、ストーリー中にも各原作の持ちネタを生かしたクロスオーバーが行われており、ゲーム本編そのものの演出が流れる事も。 例えば、グラマラスなキャラクターが登場した時にはフランクがシャッターを押して「PERFECT!!!EROTICA」のサインが出たり、ヴァシュロンが例のダンスを踊ったりする。また、大神の台詞に好感度が上がった女性キャラは、原作そのままの効果音が流れたりする。 リュウとケンが『ナムカプ』での空中戦艦バルログのシナリオを引きずったのかやたら竜巻旋風脚で空を飛ぼうとするといった、本作独自のネタもある。 スキルの名称やアイテム、装備の出典など細かい所も、原作の要素が反映され、細かい台詞の一つ一つには原作ネタや様々なゲームやアニメのパロディネタが練りこまれている。 マイナーなネタや、掛け合うキャラクター同士が共演した作品についてのネタ、各作品の他媒体ネタ、更にはクロスオーバーしていない会社のパロディネタもある。 一部のキャラは別作品のキャラとコンビを組んでいることもあるにもかかわらず、会話に違和感が全くない。 ヴァンパイアのキャラはどれも同じ作品のキャラとペアを組めていないが、デビルハンターと吸血鬼と言うペアながらも刺激好き同士のダンテ デミトリ、正反対の性格で片方が片方をからかう春麗 モリガン、なんでも投げたり武器にする共通点があるフランク レイレイとかなり噛み合っている。 サクラ大戦シリーズから参戦しているが、作品が違うために殆ど面識がない(*1)設定のエリカとジェミニも、ドジ同士だったり独特のノリが特徴で、本作屈指の癒しペア。 声優ネタとしては『魔界村』のステージでデミトリ・バツ・ハーケン・ステハニーが一堂に会し会話を行う(全員檜山修之氏が演じている)という凄まじいイベントがある。ついた愛称が檜山村。他にも戦闘前会話でKOS-MOSとT-elosとネイト(ねねこの別人格)が掛け合いをする(三人とも鈴木麻里子氏)というものも。 各技も作り込みが深い。 仲間キャラほぼ全員の技を使うCOS-MOSや、兵種関係なしに武器を振るうクルト リエラ、CMの歌に沿って攻撃するブルーノ、春麗がVSシリーズでしか使わない「七星閃空脚」を使用するなど、ファンサービスが旺盛。 会社ネタとしては、デビロットは『サイドアーム』のモビちゃん、『超鋼戦機キカイオー』のキカイオー、同作のブロディアを出したり、うららは『ファンタジーゾーン』のオパオパ、『エイリアンストーム』のスクーター、『スペースハリアー』を呼び出す。ブルーノも『ゴールデンアックス』で突くなど、細かい所からキャラが出てくる。 デビロットやブルーノ、アーサーはばっちりと爆発したり、鎧が脱げたりする。 戦闘のモーションも原作のものをほぼ再現しており、原作をプレイしていた人ならピンと来るモーションも多い。 一方でゼロのキャンセル斬りやエックスの真空波動拳等、裏技やバグ技スレスレのものも再現していたり、映画版で苦し紛れに相手の足を掴んだリュウがわざと相手の足を掴んでいたりなど、賛否あるネタもあるが。 必殺技を放つ時にはアニメーション入りのカットインが入り、これも迫力があってカッコいい。 ペアユニットキャラには全員分用意されており、必殺技のカットインが静止画のキャラクターも複数技でアニメーションが入る。 大抵の女性キャラのカットイン時には、乳房が揺れたり、生足がチラリしたりする。そうでない作品のヒロインも眼福なアングルを見せてくれる。 その必殺技の出来も良く、テーマ曲のサビを流しながら目まぐるしく攻撃する。カイト ブラックローズの「データドレイン」は3D表示して見るべきだ。 ソーマ アリサはOPアニメを再現していたり、トウマ シリルはムービーが元ネタになっているなど原作再現が豊富。 リュウは原作の「昇龍拳→セービングキャンセル→滅・波動拳」を決める、フランクは爆風に吹き飛ばされた後、原作では発生するダメージをニードロップで回避するなど、本当に細かくモーションを作り込んでいる。 サポートアタック発動時のカットイン絵にまで何らかの元ネタが盛り込まれている。ゼンガーは『スパロボ』でのカットインそのまま、バンは当時の店頭ポスターを元にしているなど。 戦闘テンポも、ナムカプに比べて劇的に向上した。 ナムカプで特に批判されたのは敵フェイズの戦闘だが、本作ではボスクラスの必殺技と複数技以外はアニメなしという大胆な演出によりテンポを向上させている。 また、『無限のフロンティア』シリーズで批判の多かった必殺技についても、長いムービーをワンボタンでスキップ出来るようになった。 賛否両論点 公式では『ナムカプ』の続編ではないということになっているが、『ナムカプ』で出会ったキャラは別ゲーム同士でも知り合いであり当時の話題を振ってくるなど、明らかに続編的なシナリオ展開がされている。 そのため『ナムカプ』、及び直接つながりのある『無限のフロンティア』シリーズを知らないプレイヤーは、序盤は少々置いてきぼりにならざるを得ない。 また、これら以外の作品でも原作の固有名詞や用語、本編では絡まないキャラの名前がストーリーや戦闘時の会話に登場する事もあるが、これに関しては大半をゲーム内で見れる辞典で確認可能である。 この図鑑は相当に気合が入っており、メインキャラから雑魚敵まで網羅している上に、名前と台詞のあるキャラは各キャラクターごとに自己紹介のボイスが数多く用意されていたり、ほぼすべての表情パターンを見れたりと非常に充実している。見れない表情パターンは細かい所だが、力を解放したリエラやセルベリア、ゴーグルをかけたT-elosぐらい。 出演作品にマイナーゲームがやや多い 平成初期からの世代やゲーマーから見ると問題ない点だが世代的に古い作品も多い。 サイバーボッツ、ゆめりあ、スペースチャンネル、ジャスティス学園などはマイナーとして扱う人も多く、ゲームをプレイしないと分からない部分も多い。ストリートファイターや鉄拳のようなナンバリングタイトルが多く発売されている作品はやってなくても聞いた事のある、見た事のある程度で済ませられるが世代に分かれてしまうのがやや問題点。 ゲームを知る事ができたと評価する意見も見かけるが実際やるにはそのゲーム機とソフトを買わないといけないのでかなり高コストとなる。 続編ではシナリオ重視に変更された事でマイナー作品は外されて解消した。 曲の作曲者の作風が強く出ており、曲ごとに質が大きく異なる 明らかに戦闘BGMには向かない曲も少なくない。特に『ゆめりあ』の「猫と好奇心」はコミカルな曲調と言えば聞こえはいいが、戦闘BGMとしては脱力どころではない。 これらの曲も出来自体は良いため「一種の清涼剤としてこれはこれで」という意見もあるが、やはりテンションが下がるのは事実。戦闘に参加するユニットの中からランダムに選択されたユニットのBGMが流れると言うシステムのため、キャラに合わないBGMが流れるのも問題。 2周目からは戦闘BGMが変更出来るが、昨今のスパロボにあるような個別戦闘曲変更と異なり、全体一括のBGM変更しか出来ない。 つまり、これを設定すると誰にターンが回ろうが誰が必殺技を使おうが、本当にそのBGMだけになってしまう。 OP映像の激しさとテーマ曲のゆったりさのギャップ 本作では『ナムカプ』にならい各キャラクターが共演するオリジナルのオープニングアニメーションが用意されている。しかし、テーマとして流れる「Wing Wonderer」がゆっくりとした曲調のためアニメ映像とのギャップが激しく、アニメ・楽曲ともにマッチしていた『ナムカプ』と比較するとやや劣る。 ただし、アニメ映像そのものは『キルラキル』『ニンジャスレイヤー フロムアニメイション』等を手掛けたトリガーが制作しており、良い意味でアニメらしいデフォルメの効いた映像となっている。 『サクラ大戦』『バーチャファイター』のアニメOPの構図をまんま再現したり、エックスとKOS-MOSが同時にバスターを撃ったり(*2)とネタは本編同様豊富であり、単体で見るならば非常に完成度が高い。楽曲も同様。 問題点 シナリオ面 とにかくシナリオが単調で、メリハリがない。本作の最大の問題点とされる。 序盤から、「キャラの顔見せや加入→わらわらと沸く中ボスキャラを倒して撤退させる→違うマップに飛ばされるor移動する」を延々と繰り返し、シナリオに起伏がほとんどない。中盤になるとユニットが全員加入するため、そのイベントもなくなる事でさらに単調さが増す。終盤になるまではボス敵の完全退場も一切ない。 このシナリオのせいで敵は「弱いくせに思わせぶりなことばかり言ってすぐ逃げる」という、味方は「トドメを刺せないままどこかに飛ばされまくる」という嫌なイメージが纏わりつく。 また、「マップとマップの合間」が一部シナリオを除いてほとんど存在しない。基本的にインターミッションが終わったらマップ、マップが終わったらインターミッションであり、会話シーンがとにかく少ない。 敵同士の会話シーンもあるが、オリジナル敵キャラのオロス・プロクス一味は内容がプレイヤー側からすれば理解できないし、シゾーの様に会話が少ない、スケィスなどは無い敵は何がしたいか分からないのもあって、敵の描写が薄く感じられる。 セルベリアに至っては、「この世界に飛ばされたが自力では時空移動が出来ないため、そこを敵に利用されては退場」の繰り返し。不憫。 マップが終わった瞬間にすぐ世界移動→次のマップを繰り返すため、休んでいる描写も暇も全くないという点も妙な点である。作中の描写を厳密に見れば、数十のマップを1日か2日で駆け抜けたとしか思えない。息抜きと思えるシーンは後半に少しある程度である。 冗長な世界移動を繰り返すシナリオは『ナムカプ』からしてそうだったのだが、こちらは「マップとマップの合間の会話」をきっちり挟んでおり、少なくとも本作のようにひっきりなしに移動している印象は避けていた。 移動するマップにしても、味方のNPCキャラが殆ど登場しない(後述)せいで、民間人や仲間がいるはずなのに無人になっているマップが殆ど。作中では「人が足を踏み入れていない時間軸(原作開始前)の場所に来たから無人なんだ」という説明がされているが、シナリオ上都合が良いように言い訳しているようにも見えてしまう。マップそのものも微妙な選出がされている。 『シャイニング・フォース イクサ』からは原作での拠点であるジオフォートがステージで登場するが、ジオフォートに来た途端シゾーやVAVA、ファントムといった敵が出現し『スーパーロボット大戦』を元ネタにしたシナリオに移行してしまう。別段ロボットに関係する場所でもないため何故出したのかという疑問が残る。 『ゼノサーガ』からは巡洋艦ヴォークリンデが登場しているが、原作ではそもそもエピソードIの序盤で破壊されて出番の無いステージである。KOS-MOSとT-elosは共にエピソードIII仕様なので違和感が強い。 そもそもゼノサーガ自体雑魚敵がちらほら出るだけで、『ナムカプ』から今までまともに原作再現されたことがない(*3)。 『TOV』はED後の時系列から参戦しているのだが、原作ではED後には消滅しているはずの『魔導器』をなぜか使用している。 少ない会話シーンにどうにかしゃべらせようと1人がしゃべって、また別のキャラがしゃべって、また別の…という具合に会話が進むシーンもあり、「学芸会か」と揶揄されることも。 会話ウインドウが『ナムカプ』や『スーパーロボット大戦』のような大きな一つのウインドウではなく、吹き出しのような小さな形で、1人分の台詞しか表示できないのが原因か。 このためか、部隊分けが発生した時にその部隊にいないメンバーが喋りだすと言うテストプレイしているのかと疑いたくなるシーンもある。 レディはほぼ会話に登場しない。彼女と同様の方法で加入するアーサーやイムカにはしっかりと存在するのだが…。 また、シリアスな会話の途中にもネタ的な会話が入れられるため、緊張感がまるでない。本作でディレクターを務める森住惣一郎氏のシナリオの特色かつウリのようなものなので好みの問題でもあるが、そのネタ自体も過去作に比べると質が低い。 「不死桜が崩壊する!」「トウマが洗脳された!」などの危機的状況のシーンは、ネタ気味な会話シーンだけであっさりと済んでしまうと言うあんまりな展開。危機感など常に皆無である。ただし後者は戦闘システム的な問題とも言える、戦闘を挟んでしまうとその間シリルが動けない理由付けが必要になる、実際唯一イベントの間に戦闘を挟むエックス&ゼロは、ゼロが動けなくなった際にエックスはゼロを守るという理由で戦線離脱する。 「死亡フラグが立つ→そのキャラが死んでしまった事を悔やむ→さりげなくそのキャラが会話に絡む→驚かれる」という展開を何度も繰り返すワンパターン気味なところも目立つ。 新規参戦作品のほとんどは「原作ストーリーの途中でこちらの世界に転移して来た」「原作ストーリー終了後で、過去の敵が復活した」「そもそも名前つきの敵が出て来ない」と言うものばかりで、原作再現性が薄い。 「過去の敵が復活した」タイプの作品の場合は一応決着をつけてくれるが、「途中で転移して来た」タイプの作品は「元の世界に戻ったら決着をつける」という名目で敵との決着さえ付けてくれず、不完全燃焼どころの話ではない。 「名前付きの敵が出て来ない」「名前付きの敵は出るが喋らない」タイプの作品はほとんど空気である。 登場する敵は各作品のラスボスではなく、中ボスポジションがほとんどな上に、数が少ない。 大ボスに関しては、確かに作品によっては明らかなオーバースペックなキャラがいるため出せなかったと推測することもできる。だが数の少なさは問題で、名前の有る敵キャラが出ない作品はそう少なくない。 名有り敵キャラが登場していても、無言で絡めなかったり、味方になったりして多くのキャラに埋もれてしまったりしていることも。味方になるキャラは一応既存作品でも味方側になった経験のあるキャラがほとんどなのだが、「利害の一致、あわよくば利用してやる」という名目で手を組んでも結局なあなあで済ませており、大人数での世間話に混ざってるだけで何もしない。 人選が謎めいている作品も。例えば『無限のフロンティア』シリーズからはネクロンとオミコンという敵が参戦しているが、これらは原作では設定も台詞もなく、グラフィックは雑魚の色違い。ストーリーにも絡まない。 空気キャラが多い。 特に問題視されるのが主人公の天斎小吾郎 黄龍寺美依。主人公ということで一応ストーリーの中心ではあるのだが、その肝心のストーリーが薄いため、引っ張られてキャラが薄くなっている。 小吾郎は「忍者で家庭教師で私立探偵、口癖は『よしなに』、クールだが時折スケベ」、美依は「戦国時代の僧兵の血を引く財閥令嬢でチアリーダー。語尾には『ってね!』と付けるハイテンションな少女」と凝った設定だが、いかんせんごちゃごちゃしており、そもそもゲーム中ではその設定があまり生かされていない。 美依には特殊な能力があったり、それに纏わる伏線が有ったりもするのだが、キャラ立ちするには正直微妙。小吾郎にはその手の因縁すらない。数多くの他社作品キャラが共演するコラボ作品の主人公がこれでは…。 このゲーム単体で見れば、同じくらいかそれ以上に空気なキャラも多い。しかし他のキャラクターは元のゲームですでにキャラが確立している。対して主人公2人は本作で生み出されたキャラクターであり、当然ながら本作の中でその魅力を発揮しなければならなかったのだが、それが全く上手く行っていない。 『ナムカプ』の主人公である有栖零児と小牟がいるなら、普通に『ナムカプ』の続編としてこの2人を主人公にしたシナリオにすれば、キャラクターもシナリオももう少し深められたのではないかという意見もあるほど。実際、零児が目立つ場面は多い。 続編の『PXZ2』では本当に零児と小牟が主役になり、小吾郎と美依は名前のみの登場に落ち着いた。ホントに何のための主人公だったのか。哀れ。 会話シーンで『ナムカプ』主人公組(特に小牟)、そして『ムゲフロ』主人公組(特にハーケン)が何かと目立ちすぎて、余計に新主人公組が空気になったのではないか…という意見もある。しかし実際には、特徴的なパロディ台詞や変わった呼び名があるから数少ない出番でも印象に残るだけで、彼ら旧主人公組も自身のイベント以外はほとんど活躍していない。 その他の空気キャラはソロユニットに顕著。アーサーやねねこなどその作品の敵が出るなら出番は多少あるが、出ていても空気な場合もある。その他多数と共に驚き役同然。 特にバツに至っては原作再現も敵キャラも存在せず、シナリオ上登場する必然性のないタイミングで初登場して声優ネタをやってそのまま空気になる。極端な話声優ネタをやりたいためだけに参戦させたという邪推すら出来てしまう。 仁は登場時からデビル因子で苦しんでいて戦闘時の台詞にも見られるが、本編中ではなんら問題が発生しない。彼の場合設定が空気である。 うららは戦闘会話やマップ会話で頻繁にレポーターとして意見を伺おうとするキャラにされている。空気ではないのだが本当に所構わず行う上に相手のキャラが触れて欲しくないような話題を軽々しく踏む、味方キャラに「ふざけるな」とたしなめられるなど、極端に空気の読めないキャラに改悪されている。原作ではそんな描写はない。 戦闘を行わないキャラクターがほぼ登場しない。 本作に登場する非戦闘キャラは、『.hack』シリーズのアウラと『ロックマンX』シリーズのアイリスの2名のみ。 うちアイリスは1マップのみのほぼゲスト的な登場であるため、「プレイヤーの冒険を外部からサポートするキャラ」はアウラ以外に一切存在しないということになる。 通常「使えないキャラが少ない」のは喜ばしいことであるはずなのだが、上記のように参戦キャラ達の描写が薄く、サブキャラもほとんど居ないことがシナリオの単調さを後押ししている。 ペアユニット同士、ソロユニット同士の掛け合いが非常に薄い。 本作では、今までに述べたとおり「キャラの戦闘掛け合いは豊富だがシナリオが薄い」と言う状態になっている。そして、戦闘掛け合いはクロスユニットを組んだキャラ同士、つまりペアユニット-ソロユニット間で発生する事になる。そのため、クロスユニットを形成出来ない同種ユニット間は戦闘掛け合いが存在せず、結果的にシナリオでの絡みも非常に薄い。 また、『ナムカプ』では複数ユニットでの大胆なクロスオーバー合体攻撃があり、実用性こそないがキャラの魅力の形成に一役買っていた。しかし本作ではそれもない。 絡みが薄いのはもちろん問題だが、その上でも同作品内で複数のペアユニットが存在するキャラは特に問題。リュウ&ケンと春麗、デミトリとモリガン(*4)、大神&さくらとエリカ、零児&小牟とハーケン&神夜(*5)がこれに当たり、同作品にもかかわらず会話がほとんど発生しない。 エリカはヴァシュロンと組ませた時発生する会話において「私には大神さんが…」と言っているのに、肝心の大神との絡みがほとんどないというのはなかなかに涙を誘う。 システム面 『ナムカプ』で散々指摘されていた「バトルが単調かつ冗長でテンポが悪い」という欠点が全く解消されていない。 戦闘システムが別物になったにもかかわらず、戦闘でのコマンドは相変わらず単調になりがち。通常技が最大5種類しかないのもあるが、「敵のブロックを砕く ⇒ 全てのコマンドを入力 ⇒ 援護攻撃」というパターンは変わらない。 個々の技が細かく作りこまれている分そこそこ長い。加えて、クロスヒットを成立させると相手が固定されてタイミングをはかる必要がなくなるため、ゲーム性が低く作業度が大きく増す。 ソロユニットやサポートユニットを呼ぶと毎回カットインが表示される事もあり、特に技数が増えてくる後半の戦闘は、1戦闘ごとを見れば『ナムカプ』より遥かにテンポが悪い。流石に全体を比較すればこちらの方がテンポは良いが。 クロスヒットは本作で最重要な点だが、ブルーノやジュリなどソロアタックにクセがあり、組む相手が限られてしまう面もある。 また、戦闘自体が最大5キャラが入り乱れて攻撃するのでゴチャゴチャしていて、CRT成功や攻撃ミスなどがちょっと見難いという問題もある。 発売前のインタビューなどでは「テンポの良さを重要視して作っています」とナムカプの評判が悪かった部分への改良をうたっていたことが、余計に火に油を注いでいる。 SRPGとしてのゲーム性の面 味方全員を出撃出来るようにしているためにマップが無駄に広く、移動に非常に手間がかかる。 二手に分かれたユニット達を合流させる、アイテムを取りに行かせたユニットを戦場に戻す時などは大きな手間がかかり、着いた頃にはとっくに戦闘が終わっている事も多い。 味方が多ければその分、敵もとにかく多い。中盤以降は、うんざりするほどの敵増援がどのマップでも複数回存在すると言っても過言ではない。 その中盤以降は中ボスクラスのキャラも多く、終盤は必殺技を使ってくるボスキャラが当たり前の様に何体もいる。最終盤ではHP10万台のボスキャラすらわらわら出てくるため、やっていてかなり面倒くさい。 増援の仕方もいやらしい。宝箱の周りに現れるために開けに行ったら包囲されたり、ようやくクリア条件を満たしたと思ったらやってきた増援にボコボコにされるなど。 そのクリア条件もまた、条件を満たせば次のクリア条件が現れ、ついでに増援も現れる……とやっていてうんざりする。 一例をあげると、12話では「宝箱を開ける→敵の全滅→増援の特定ボス撃破」となっている。 マップによっては70体以上の敵がフィールドに存在する事もある。 ナムカプ本編でも1ステージ当たりの増援回数が多かったが、本作ではむしろ悪化していると言っていいレベルである。 これだけ敵がいるのに、AIが変なために弱い。こちらが待っていると敵が全員突撃、こちらの体力に関係なく攻撃相手を選んだり、時々攻撃もしてこなかったり。流石に無防備な気絶状態のユニットは攻撃するが。 複数の敵に攻撃可能な複数技もあるが、これも性能が微妙。 クロスゲージを100%消費するために中盤までは気軽に使えない。 最終的には全ペアユニットにソロユニットを付けられる事からゲージはかなり回収しやすくなるため、クロスゲージをアイテムで10~20%程度上昇させる事を厭わなければ終盤では二、三人に一人のペースで放てるようになる。XP回復アイテムはHP回復アイテムよりも入手しにくいが、それでも少量回復のアイテムはたまに使わないと余りがちになるので勿体ないという訳でも無い。一方で必殺技と違い攻撃前にゲージの上昇が行えないため、ゲージを消費するスキルとの併用は難しい。スキルを活用して攻略している場合には、終盤でも中々出せなくなってしまう。 格ゲー主人公キャラが持つ「2体に大ダメージ」の複数技は使う所もそこそこ多いが、問題はそれ以外の「2~4体にそこそこのダメージ」の方。これが使えるようになる中盤頃はマップが広く、敵も密集している傾向にあり、敵のHPも低いために有用ではある。しかし後半になると入り組んだ地形も多く、HPの高い敵がまばらに配置されているため、使いどころが少なくなってしまう。 前述の味方キャラを包囲するように現れる敵増援、及びAIの問題から敵が固まって突撃してくる事が多いため、味方ユニットを固めて進軍させていると自然と3、4体攻撃出来る状況になりやすい。1周目なら雑魚敵のHPは2~4体用の複数技+一度の反撃で倒せる程度な事も多いため、反撃を多用して攻略する場合は終盤でもそこそこ役に立つ。 部隊分けにより一部ユニットしか登場出来ないマップもあるが、少し小規模になるだけで問題はあまり変わらない。 また、『スーパーロボット大戦シリーズ』のように「どちらかのルートを選択する」ので訳ではなく、ナムカプ同様の「全ての部隊のシナリオを順に体験する」タイプになっている。 そのため部隊分けが発生すると、1マップごとに毎回ペアユニットとソロユニットの組み合わせを組み直したり、装備を変える必要があって非常に面倒。 マップが見にくい。 視点は右下を上空から見下ろした感じになっている。これは他のゲームでもよくある所だろう。 しかし、視点変更はできるが、「中央」「ちょっと右」「ちょっと左」程度と大差がない。 おかげでユニットが建物や柱の影に隠れ、そこに何がいて誰が攻撃できるのかとか、どの辺りまで移動できるのかが非常にわかりにくい。 なのにデモシーンではマップを別の視点から見ていたりもする。嫌がらせか。 そして最終話は、これらの問題点を集約したマップとなっている。 + 最終話の問題点(ネタバレ注意) マップ開始時にはペアユニット4人とソロユニット3人しか味方がおらず、条件を満たすと2回に分けて味方増援が行われる。 このシステムのためにペアユニットとソロユニットの組み合わせが一度全て解体され、増援のたびに組み直す必要がある。 しかもインターミッションでは、なんら問題なくユニットの組み合わせが設定できるので、「もうラストだ。組み合わせをしっかり考えよう」と思いがちなプレイヤー心理を突いて来るために余計に面倒さが増す。 マップも今までのステージの中で群を抜いて広い。 しかも、そこら中がデコボコしていたり、丸みがあったりとマップがどうなっているのか把握しにくい構造になっている。 1回目に来る増援は位置がラスボスから一番遠く、最終決戦に参加させるためには道中の敵をほぼ全て倒して移動がZOCに引っかからないようにしなければならず面倒臭い。 敵の面倒臭さも異常。 今までに戦ったボスキャラのコピー何体も現れる。HPは約10万で必殺技も使ってくる始末。 増援の頻度も高く、そして数もとても多い。 またラスボスも囲まれてボコられることを考慮してか、周り1マス分の侵入不可エリアに登場する。大半の味方は射程が2マスのため、四方を囲んでしまうと攻撃が届かない味方が多い。 しかしその攻撃にしくい点も考慮してしまっているのか、そこまでタフという訳でも無い。必殺技込で10回も攻撃すれば余裕で倒せるため、アイテムを惜しみなく投与してスキルも多用するとあっさり倒せてしまう。そのため、最後の増援を出現させる前にどれだけの味方ユニットをラスボスへ接近させているかで体感的な強さは大きく変わる。 展開自体はそこそこ燃えるが、ここでも残念な点がある。 マップ終盤で流れる専用BGMは完全固定な上に、ループが短く設定されている。 ナムカプの名曲「素晴らしき新世界」と違い、曲自体は良いものの、ローテンポな曲調のためにであまり燃えない。 一応、最終盤ではタイトル画面のBGMが流れるが、その頃にはラスボスをあと一回攻撃すれば倒せる頃なので…… このように、狙っているとしか思えないほど全ての問題点が表出するマップである。最終話の高揚感も、面倒さの前には台無し。 ユニット育成に面白みが無い。 もらえる経験値がすべての雑魚、ボスで一律決まっており、それに対してレベルの差が開くことで割合補正がかかるようになっているため、ひとつのユニットを突出して育てることが出来ない。 また、とても粘ってコツコツ稼ごうとしても、100ターン経過すると理由もなしに問答無用でゲームオーバーになる。通常プレイではまず遭遇する事はないが…。 1つのステージでレベルアップを延々行えないための対策ではないかとも言われているが、故に自由度がとても低い。 経験値増加手段こそあるが、どうプレイしても全員がとにかく平均的なレベルになる。良くも悪くも格差が生まれることは無い。 最大レベルは99まで設定されているものの、プレイして届く値は登場する敵レベルの最大値と同じ55前後くらいである。 そのユニット自体も、装備やソロユニットのスキルによって弱点の解消が難しくない。 技はプレイヤースキル以外によって変えようがないが、言い方を変えれば持ち技によってキャラの性能がほぼ決まってしまう。 唯一威力Sの通常技を持つエックス ゼロ、高性能な技と自前の優秀なスキルを持つダンテ デミトリ、攻撃範囲がとても広い・CRT補正が強い・XPも溜まりやすい技を持つハーケン 神夜に至っては、消費は膨大なものの味方全回復のスキルを唯一覚えるため、これらはとても使いやすい。一応当てにくい技が多く、最初に使うと必ずミスする攻撃がある、つかみ技はスカるとほとんどダメージがないという欠点があるにはある。 逆に、技を覚えるのは早いが威力が低く、SPD以外のステータスが低い春麗 モリガン、平均的なステータスで技の性能もかなり微妙なクリス ジルやクルト リエラは、上述のユニットと比べると明らかに弱い点が目立つ。ただし春麗は敵のブロックを1発で破壊できる技を持ち、他のユニットも大幅に削れる技があるのでこれを最初に使えば総ダメージはかなりましになる。 ちなみに、ソロユニットはそもそも成長しない。 アイテムが余る。 本作では、雑魚であろうと敵を倒す度に消費アイテムをランダムに獲得出来るため、アイテムがとにかく大量に手に入る。 所持上限がたったの20個なのですぐに上限に達するため、アイテムを大量に使っていくバランスだと言わんばかり。だがあまりに手に入るアイテムが多すぎるため、潤沢に使ってもなお余る。そのため、ゲームとしては簡単すぎる。 HP回復アイテムは最も頻繁に登場する上に、「味方全員のHPを50%回復」等のかなり強力なアイテムも少なくない頻度で登場するため、HP回復は容易。自軍ユニットが倒れる事はまずあり得ないが、同時にHP回復スキルの価値は全く無いと言っても良い。 流石に入手できる数は限られているが、全員全回復+クロスゲージ100%増加の「スペシャルグミ」「不思議な水飴」、全員全回復+状態異常回復の「セブンシスターズ」と言うぶっ壊れアイテムもそこそこな数が入手できる始末。 かといって、HP回復スキルはあまり多くない上にクロスゲージを結構消費する。システム上、ダメージを受けずに攻略する事はほぼ不可能なので、回復アイテムを縛ってプレイするのは難しすぎる。 状態異常回復アイテムも余る。状態異常がかかる度に逐一回復してもまず尽きる事はない。そのため、状態異常回復スキルもやはり価値がない。 そもそも、こちらがかかる状態異常は反撃が1回だけ出来ない崩し、行動順が回るまで無防備になる気絶、行動順が回ってくると1度だけダメージを受けるが倒れはしない毒、次の自分の行動が終わるまでスキル・アイテム使用ができない封印と少なく、崩しはすぐに消えるし、毒は封印と複合しない限りは回復アイテムを使えばいいために全然怖くない。相手にかけられない封印はともかく、崩しと気絶はかければ強力なのもあって、状態異常に悩まされるのはむしろ相手の方である。 クロスゲージ回復アイテムは他2種類に比べるとやや手に入りにくいが、それでも普通にプレイしている分には余る。だが、クロスゲージを贅沢に使用して手早く進めようとすると、今度は足りない。「非常に簡単だが、テンポ良く無双する事はできない」と言う一番面倒なバランス。 なお、万が一使い過ぎた場合も、低級アイテムは普通に戦闘していればすぐに有り余るほど手に入るし、稼ぎも容易。 また、何故かアイテムは同じ効果のものが2つ存在する。アイテム一覧で2番目にあるアイテムは1番目にあるのと比べて少しは入手しづらい。原作で似たような効果のアイテムを集めた結果かもしれないが、あまり意味が感じられない。 2周目以降は強制的に高難易度モードになる。そのままの難易度で2周目は不可能。 「取得経験値の減少」と「敵レベル増加」となっているが、1周目の装備とアイテムとプレイヤーの経験が残っているため、難易度的にはやや厳しめな最序盤さえ乗り切れればあとは通常プレイと大差ない。 むしろ、2周目以降で手に入る装備の性能はかなり壊れており、周回すれば周回する程に楽になってくる。 引き継げる要素が所持品以外全くと言っていいほど無い上、周回プレイクリアに特典がつくわけでもない。その上、この2周目絡みではバグも存在する(後述)。 数は少ないとはいえ、厄介なバグの存在。 34話にて、ボスを撃破する前に敵の総数を21体未満にするとゲームが強制終了する。 ボスを撃破する前に雑魚を減らすのはこの手のゲームでは基本戦術であり、特に今作は敵の数がかなり多いため敵の頭数を減らそうとしてこのバグに引っかかった人が多い。 このバグに関しては公式からも発生条件に関する回答がなされており、「敵の残数を20体以下にする前に、プレリュードを倒さない」が回避条件らしい。また、そもそもこのバグが発生しなかった例もある。 2周目以降の高難易度モードでは、敵増援が出現しきる前に中断して再開すると敵の増援のレベルや所持品が1周目と同じになってしまうバグが存在している。 一見敵のレベルが下がると有利にも見えるが、本来よりも取得経験値が減少してしまうことによりレベル上げができない(=スキルが揃わない)ため、かえってクリアが困難になってしまうので下手に中断ができなくなってしまっている。 2周目でしか手に入らないアイテムを落とす増援タイプのボスも、このバグにより取得判定が1周目のものにされてしまう(=限定アイテムが入手不可になる)。ラスボスのドロップアイテムも該当するため、かなり長いのに最終ステージは電源を切ることが出来ない。 なおラスボスはステージ開始時から出現しているが、バリアを破壊することで別敵扱いに変化し、2周目限定アイテムを落とすという判定になる。つまりバリアを破壊してからならこのバグの影響を受けず中断可能。 総評 『ナムカプ』からテンポがかなり改善されており戦闘時の凝った演出や掛け合いの楽しさも十分。 また、「描写が薄い」「出番が少ない」という問題点はあっても、お祭りゲーの失敗作によくある「キャラが改悪された」「不快な描写をされた」というような問題点は一部を除いてほとんどない。 各々のキャラクターは元々のゲームの人気や楽しさとも合わさって、魅力的な存在となっており、本作で登場したゲームに興味を持ち、参戦作品の原作に触れたというプレイヤーも少なくない。 ただしシナリオ面全般に大幅に難があるため、『ナムカプ』のようなゲームを期待していたプレイヤーを大いに失望させる事になってしまった。 『ナムカプ』に比べると「シナリオ面は大幅劣化」「システム面は完全とはいえないがやや改善」「作品同士の掛け合いはともかくキャラの魅力は主人公を除き十分」といったところで、総じて「ナムカプの長所と短所を大きく削ったゲーム」と言える。 人によって評価が分かれるためか比較的安価で手に入るので、気になる人は一度手にとってみるのもいいだろう。 余談 参戦作の1つ『.hack』シリーズは「ゲームのキャラクターが3次元に現れた」という力技だが、本作も外伝ではなく正史に含まれる。これは製作チームが「公式に発表されるシリーズは全て正史」というスタンスを取っているため。 ブルーノは本作で初めて声がついた。演じるのはブルース・ウィリスの吹き替えでおなじみ樋浦勉氏。 毒島力也は原作と声優が交代してしまっている。演じていたのは『ルパン三世』に登場する石川五ェ門でお馴染みの井上真樹夫氏だったが、同作品で浪川大輔氏と交代したのと同じく、こちらの毒島力也も浪川氏が演じている。 『スーパーロボット大戦OG』からのゼンガーは原作がロボットゲームのため生身での戦闘シーンが無かったが、『無限のフロンティア EXCEED』のアクセルなどと同様に「搭乗機体の武装を模した武器で、ロボの技と同じ技を繰り出す」という力技で参戦が実現している。 なお、開発初期は同じく『OG』からギリアム・イェーガーの参戦が検討されていた。 レイレイの一人称が『MARVEL VS. CAPCOM 3』の「ボク」から「アタシ」に戻った。ボクッ娘だったレイレイの評判はいまいちよくなかったため、元に戻った事への批判は特にない。 「社長が訊く」スタッフインタビューの中に名前こそでていないもののこの事だと思われる話題が挙がっている。インタビューにて「じつは担当者的には納得いってなかった」「担当者の気の迷い」などと言われていることから戻るのは必然だったと思われる。 クリスのキャラ紹介のキャッチコピーは「“あの街”を駆け抜けた」となっている。おそらくあの街とはラクーンシティを指すのだろうが、クリスがラクーンシティで活躍する作品は1つもない(*6)。 レイレイのキャッチコピーでも似たようなミステイクが起きており、ナムカプの時点で『ハンター』準拠の設定で登場した流れを引き継いでいるはずにもかかわらず、『セイヴァー』の時の設定を意識したキャッチコピーが書かれている。 また、本作中には『バイオハザード』シリーズと『DEAD RISING』シリーズが世界観を共有していることを示唆するセリフがあるが、上記のいい加減さを見るに公式設定である可能性は低く、単なるファンサービスのつもりと思われる。 『逆転裁判』シリーズは本作に参戦の予定があったが、同時期に『レイトン教授VS逆転裁判』が進行中であったため、参戦は見送られた。 次回作である『PROJECT X ZONE 2 BRAVE NEW WORLD』には、同シリーズが正式に参戦している。 本作の公式サイトでソロユニットの情報が更新された際、フレンの必殺技の項目での説明がなぜか毒島の必殺技のものに丸ごと誤植されていた。 現在は修正されているが、フレン=毒島流の使い手として一部でネタ扱いされる羽目になった。 ゼンガーとハーケンは本作の続編である『PXZ2』には参戦しなかったものの、代わりに『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』に参戦。 「新西暦の世界へと転移したために本作の続編へは参戦できなかった」という理由が付けられ、限定版特典ブルーレイにて本作の後日談にして『OGMD』前日談となるピクチャードラマ「ゼンガーの帰還」が収録されている。 本作オリジナルキャラで、敵キャラのドライ・ベラノス役を演じた声優・たてかべ和也氏が2015年6月に逝去。本作がゲームにおける最後の出演作になった。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/55.html
仮面ライダーアギト 【かめんらいだーあぎと】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション 発売元 バンダイ 開発元 KAZe [カゼネット] 発売日 2001年11月29日 定価 4800円 廉価版 BANDAI THE BEST2003年2月20日/2,800円(税別) 判定 なし ポイント キャラゲーとして少し進化しかしまだまだ荒削り 仮面ライダー対戦格闘シリーズリンク 概要 登場キャラ 評価点 問題点 総評 余談 目覚めろ、その魂! 概要 同名の特撮番組を原作としたゲームソフト。 制作は『仮面ライダー』『同・V3』『同・クウガ』に続きKAZeが担当。同社が開発した最後のライダーゲーでもある。 登場キャラ 仮面ライダー アギト(グランドからストーム・フレイム・バーニングのどれか1つにチェンジ可能)、アギトシャイニングフォーム、G3(ダブルタイプ)、G3-オリジナル、G4、ギルス、エクシードギルス アンノウン(ロード怪人) ジャガー(褐色・赤・クイーン)、トータス(銀)、スネーク(男)、クロウ(1体目)、スコーピオン、ハイドロゾア 詳細名はジャガー(褐色)はパンテラス・ルテウス、ジャガー(赤)はパンテラス・ルベオー、ジャガー(クイーン)はパンテラス・マギストラ、トータス(銀)はテストゥード・オケアヌス、スネーク(男)はアングィス・マスクルス、クロウ(1体目)はコルウス・クロッキオ、スコーピオンはレイウルス・アクティア、ハイドロゾアはヒドロゾア・イグニオ G4はタッグバトルモードではプレイヤーは使用できないが敵としては登場する。 敵専用キャラ G3(ソードタイプ)、G3(ガンタイプ)、G3-X、ジャガー(青)、トータス(金) 詳細名はジャガー(青)はパンテラス・キュアネウス、トータス(金)はテストゥード・テレストリス 2Pと協力して100連戦するタッグバトルモードでは使用可能。必殺技のモーションが少し異なっている。 G3関係はGトレーラーのG3-オリジナルをカスタマイズすることで全タイプ使用可能だが通常のG3(ソードタイプ)、G3(ガンタイプ)、G3-XはNPC専用。 通常のG3-Xもタッグバトルモードで使用可能。ただしカスタマイズできるG3-オリジナルは使用できない。 ソードタイプとガンタイプの通常版はタッグバトルモードでも使えないがG3モードで使用できる。 評価点 前作『クウガ』ではできなかった、バトル中でのフォームチェンジが可能。 但しアギトのみ。またチェンジするフォームは戦闘前に予め選択する。 ストーリーモードで優勢になると、番組の挿入歌が流れる。この演出は以降のライダー格ゲーにおいて定着した。 小ネタが豊富。 VSモードでアギトのハンディキャップを最大に設定すると、ストーム・フレイムフォームの外見がトリニティフォームに変わる。ただし性能は変わらず。 ストーリーモードでは、ラスボスであるクイーンジャガーロード(パンテラス・マギストラ)が死に際に原作同様のアクションを行う。 登場怪人の中で、ハイドロゾア(ヒドロゾア・イグニオ)は原作で喋った唯一の台詞を「勝ち台詞」として喋ってくれる。「人が人を殺してはならない」 カードゲットモードでは、アギトの津上とG3の氷川が掛け合い風のボイスで解説をしてくれる。 G3のストーリーモードでは、ダメージを与えた時・受けた時で、それぞれ小沢警部の合いの手が入る。 …のだが、1種類ずつしかないのでクドくもある。 ハイスピードの駆け引きと爽快なコンボ ×ボタンで全キャラが高速移動が可能、派生や必殺技もらくらく操作で発動し、特に空中攻撃のラッシュはコンボゲーと呼べるほど。 OPのクオリティは高い。前作『クウガ』から確実に進化している。 カードゲットモードは、『仮面ライダー』『クウガ』同様入手済みのカードを何度も入手してしまう仕様だが、種類によってカードの色が違うので、少しは判別に役立つ。 問題点 本作より、ライダー格ゲーでは同キャラ対戦ができなくなる。 色違いの怪人を、タッグバトルモード専用キャラではなく2Pカラーとして出すという手もあっただろうに…。 劇場版限定キャラであるG4はG3-Xのモーションを流用しており、ボイスを一切発しない。原作で使用したミサイル「ギガント」もまったく出てこない。 ただしG4が勝利ポーズで頭を抱えて苦しむ動作をしたり(G4装着によるシステムの副作用)、登場時に空中から落下して登場する(劇場版ではヘリから落下して登場している)。など劇場版を思わせるネタが無いわけではない。 ソフト制作時期を考えると仕方がないことだが、アナザーアギトとG3マイルドは未登場。V-1も未登場。 ストーリーモードはアギト・G3・ギルスと3種類のルートが用意されているのだが、どれも最終面の展開は同じ。 通常のG3の他に、プレイヤーがカードゲットポイントでカスタマイズできる「G3-オリジナル」というキャラもいるのだが、改造できるのは3種類の武器だけなので面白みに乏しい。 なおフルチューンすると「G3-X オリジナル」に変化する。これはプレイヤーが操作できるのだが、通常のG3-Xは敵専用キャラとなっている。 総評 G3のカスタマイズやメインライダーごとのストーリーを用意するなど、意欲的な要素を盛り込んだソフトではあるのだが、どれも洗練不足という感じが拭えないものとなっている。 とはいえ、良くも悪くも話題にならなかった前作よりは明らかに良い意味での特色を持ったソフトである事と、翌年デジフロイドに交代してからのゲームが大味なソフト続きであった事などから、『カブト』が発売されるまでは「遊べるライダーゲー」と呼ばれていた。 余談 クイーンジャガーロード(パンテラス・マギストラ)は、カポエラのような逆立ちしての回し蹴りを使えるのだが、褌の下に何も履いていない事がわかる。 単に太ももの内側と同じ色が続いているだけだが。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4506.html
ちゃっくんぽっぷ 【ちゃっくんぽっぷ】 ジャンル アクション ※画像はFC版パッケージ 対応機種 アーケード、PC-6001mkII、PC-8801、X1、FM-7、MZ-2000/2200、MSX、SG-1000、ファミリーコンピュータ 発売・開発元(または発売元) 【AC/MSX/FC/Wii(VC)】タイトー【SG-1000】セガ・エンタープライゼス【PC】ニデコムキャリー【3DS(VC)】スクウェア・エニックス 開発元 【FC】トーセ【PC】キャリーラボ 稼動開始日【AC】 1984年4月(*1) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2008年7月8日/514Wiiポイント【3DS】2013年11月20日/514円(税込)アーケードアーカイブス【Switch】2022年7月21日/838円(税10%込)【PS4】2022年7月21日/837円(税10%込) 判定 良作 概要 特徴とシステム 評価点 問題点 総評 移植 余談 概要 「ちゃっくん」を操り、時限式の爆弾を使って、モンスターのいる迷路に囚われたハートを逃がしていくゲーム。 日立ベーシックマスター LevelIII用に作った『Chack’n Chack』というゲームが元と言われ、アクションゲームながらパズル要素も濃いゲーム。 実はタイトー初のキャラクターゲームであるとともに、本作で作られたキャラクター達は、その後のタイトー作品に多く出る事となる。 特徴とシステム サイドビューのアクションゲーム。 ステージは簡単な迷路となっており、そこに二つの檻にハートが囚われている。このハートを逃がすとステージクリア。 「ちゃっくん」は四方向に動ける。また天井に張り付くことができ、移動もできる。「ちゃっくん」は身長程足が延ばせ、高さが身長の二倍程度の天井なら、床から直接天井に張り付く事ができる。 床に両足か片足が付いているかで飛び上がる高さが変わる。両足ならちゃっくん2キャラ分で、片足なら半キャラ分になる。 時限式爆弾を左右に出せる。出すとすぐに重力に引かれて落ちていく。この爆弾をどこに仕掛けるのかがプレイのコツ。爆弾は爆発すると周囲に煙をまき散らす。これが爆発の攻撃範囲。この煙に飲み込まれたモンスターを倒すことができる。但し、自分も巻き込まれるとミスになる。 ステージの一番上に、出口に蓋をしようとするモンスター「まいた」(*2)がいる。これが各面の制限時間を示しており、出口を塞がれてしまうとタイムオーバー。 「もんすた」は天井に卵の形でぶら下がっており、時間が経つと孵化していく。 「もんすた」の動きは三種類。周辺をうろついているだけのもの。ひたすら追っかけてくるもの。そして、爆弾を仕掛けると逃げ出すもの。この内最後のタイプは倒すのに手間がかかる。 一発の爆弾で複数の「もんすた」を倒すとボーナスアイテムが現れ、取ると得点となる。 時折、「スーパーハート」(*3)が出てくるがこれを取ると、一定時間無敵状態の「すーぱーちゃっくん」となる。この間は移動速度アップと床に片足しか付いてなくとも両足飛び、もんすたに触れるだけで倒すことができ、設置した爆弾の爆風に巻き込まれてもミスにはならない(*4)。 ステージを特徴づける様々なギミック。 アイスブロック。爆弾で破壊でき、通れるようになる。だが、破壊し過ぎて足場がなくなってしまう事もあるので、注意が必要。 ウォーターボトル。壊すと水が出てきて、床にたまっていく。水中は自由に泳げ、高さの都合などで届かないような場所もいける。しかし爆弾が出せなくなる。また水中で爆発した場合は煙が広がらない。 ムービングブロック。左右に動く床状のブロック。うまく利用し移動に使う。ただし壁とこのブロックに挟まれるとミスとなる(*5)。動きはやや不規則なものもあり、見極めなければならない。 もんすたを全滅させてクリアか、逆に1匹も倒さずクリアでボーナスがもらえる。 もんすた全滅の場合は5000点のボーナスだが(*6)、1匹も倒さずクリアした場合は20000点に加え残機が1機追加される 全14ステージのループ制。 評価点 パズル性のあるパターン攻略を考える楽しみがある。 各ステージでは、モンスターの卵の位置、孵化するタイミング、三種類の動きのモンスターがどこに配置されているかが決まっている。さらにステージ特有のギミックもある。 このため「ちゃっくん」がどう動き、どこで爆弾を仕掛け、どこで一旦待機し…といったパズル的なパターン攻略が可能。これを見出すのが本作の面白さ。 簡単な説明が表示された練習用の1面がある。1面が簡単なゲームというのは当時もあったが、トレーニング面と銘打っているのは珍しかった。 中間デモが豊富。 3ステージ毎にコミカルなデモが挟まれる。物語的になっており、最後の14面をクリアするとエンディングらしいデモもある。もっともループ制なのでまた戻るのだが。 問題点 パズルアクションゲームとしてはボリュームに乏しい。 アーケードゲームでは、このタイプのゲームでは30面~200面あるのが一般的だった。 パズルゲームは解法が見つかれば「終わり」であるため、当然ながら飽きも早く、現場でも早期撤去する店舗が多かった。 『フェアリーランドストーリー』『バブルボブル』では、この反省を生かしてアクション性を向上させ、約100面のボリュームになっている。 総評 アクションゲームでありながら、攻略がパズル的と独特の味があるゲーム。ただACではそれほどヒットしなかった。PC移植で再評価を受けた当時としては珍しいゲーム。 移植 ACではあまり出回らず、知名度をそれほど獲得できなかったが、PCでは移植度が非常に高いものが多く、当時の代表的なアクションゲームの一つとなった。 PC-8801版、X1版、FM-7版はPC特有のちらつきはあるものの、デモも含め移植レベルはかなり高い。ただ音源に関しては、スペック上完全な移植ではない。 一方その他の同時期の移植版は、マシンスペックの関係で様々な部分で劣化移植に留まっている(*7)。 『タイトーメモリーズ 下巻』(PS2、発売日:2005年8月25日)、『タイトーメモリーズ ポケット』(PSP、発売日:2006年1月5日) オムニバスソフト。『ちゃっくんぽっぷ』を収録。タイトーメモリーズ下巻はSG-1000版(1985年9月)以来約20年ぶりの家庭用ゲーム機への移植。 『タイトーマイルストーン』(Switch 開発協力:ハムスター 発売日:2022年2月24日) オムニバスソフト。『ちゃっくんぽっぷ』を収録。「アーケードアーカイブス」と同じフォーマットで開発されており、同年7月21日には単品でのDL販売が開始される事も発表され、同日にPS4版も配信開始となった。 アーケードアーカイブス版 上記の通りアーケードアーカイブスの1作品として、2022年7月21日にNintendo SwitchとPS4にて配信。日本語版のほか英語版も収録してある。 その他、2022年3月2日発売のミニアーケード筐体型ゲーム機『イーグレットツーミニ』に本作が収録されている他、マスコットキャラとしてちゃっくんをベースに頭のトサカをジョイスティックにした「スティックン」(*8)が登場している。 余談 タイトルの日本語表記は『ちゃっくんぽっぷ』『チャックンポップ』の両方が確認されている。 アーケード版の時点で、インストカードは英字の『Chack n Pop』に読み仮名『ちゃっくんぽっぷ』だが主人公の名前はカタカナの「チャックン」、しかしフライヤーでは『ちゃっくんぽっぷ』で主人公の名前は「ちゃっくん」、さらにライセンスシール表記は『チャックンポップ』、と表記ゆれが激しかった。 初期の移植作ではSG-1000版のみカタカナ、それ以外はひらがな表記を採用していた。 イーグレットツー ミニの開発時に再確認が行われた所、広報のえがっPより「どちらでもOK」ということだが、同ツイートにて「タイメモでひらがなにして怒られた」と話していた。 最終的には2021年6月に議論の末に「商標は『Chack n Pop』と英字表記で登録しているため、ひらがな・カタカナのどちらでも間違いではない」という公式方針で固まり、同時期のタイトーマイルストーンでは『ちゃっくんぽっぷ』表記、イーグレットツー ミニでは『チャックンポップ』表記をそれぞれ採用することになった。 この辺りは2022年7月のYouTube・第370回 アーケードアーカイバー ちゃっくんぽっぷスペシャル!でもこの問題に触れている。 2023年にはえがっPがツイートで「私達は先輩をリスペクトしているのでカタカナなんです」「正解はChack n Popという英語表記で登録してるので読みはカタカナ」と語っている。 販促用ポスターでネタバレ。エンディングまで載っている(悪い意味での)ご丁寧さ。 こちらも『フェアリーランドストーリー』『バブルボブル』では終盤面が「?」で隠されている。 本作の「ちゃっくん」「もんすた」「まいた」はその後、『バブルボブル』や『パズルボブル』にも登場し、これらのシリーズの人気から、以降は事実上は同シリーズのキャラクターとして扱われている。ちゃっくんは『バブルシンフォニー』のゲストキャラや、PS版『ぽっぷんぽっぷ』の隠しキャラ(2Pにミスちゃっくんも参戦)として出てくる他、中には『メガブラスト』で「金ピカのちゃっくんが中ボスとして登場する」というものまである。これら客演の多さからタイトーのマスコットキャラの代表格として扱われていたとも言えよう。 タイトーが自社のゲームキャラクターをマスコットとする画策はこのちゃっくんから本格的に始まり、ちゃっくん自身は後に『バブルボブル』及び『パズルボブル』の「バブルン」にその立ち位置を取って代わられた(*9)。後の2000年代にはマスコットの概念は消滅しかけていたが、最終的には2008年頃に『スペースインベーダー』がブランドロゴとなり、バブルンは着ぐるみやVTuberでの宣伝活動メインという扱いで落ち着くこととなる。 後に『フルスロットル』『チェイスH.Q.』『サイドバイサイド』『バトルギア』シリーズなどタイトーの歴代のレースゲームの大半を手がけた酒匂弘幸氏がタイトーに入社して最初に関わった作品である(*10)。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6714.html
「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 みずいろブラッド 【みずいろぶらっど】 ジャンル 即死系ハチャメチャラブコメディ 対応機種 ニンテンドーDS 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 クラフト マイスター 発売日 2007年6月14日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1~4人(DSワイヤレスプレイ時:2人)(DSダウンロードプレイ時:2~4人) レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし UGSFシリーズ 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 タッチペンを使ったミニゲーム集。 公式ジャンル名が「即死系ハチャメチャラブコメディ」となっているとおり、愉快でシュールなキャラクターたちによるちょっぴりバイオレンスなストーリーが魅力的なゲームである。 ストーリー 無限に広がる大宇宙。そこでは悠久の刻の中で様々な星が生まれ、そして消えていった。銀河系の外れに位置するアルファ星が、異常な地殻変動の観測データを最後に突然連絡を絶つ。その日を境に、周囲の惑星も相次いで連絡を絶っていった。ただちに調査のため、UGSF(連邦宇宙軍)が派遣された。そこで遭遇したものは、人類にとって最初の「敵」であった。それは、大小無数の戦闘機械としてしか存在しない、無機物で構成された生命体、「生きた兵器(ライブ・ウェポン)」だったのだ…そしてそんな宇宙の事情とは全く関係なく、今地球ではみずいろちゃんのあやしげなロボットが恋に勉強に夢中、ムチュー!世界で一番ラブリー(自称)なロボット「みずいろちゃん」が繰り広げるドタバタデッドリーラブコメディ。略してミソヅケ!みんなよろしくネ! (公式サイトより) 特徴 漫画やアニメのように、各ミニゲームそれぞれが第1話、第2話……と対応しており、ゲームを1つクリアすると次の話を見ることができる。 全40話であるため、本編で遊べるミニゲームは40種類である。 本編以外にも「ラブネリ工場」などのミニゲームを遊べるため、実際のミニゲーム数は40種類を超える。 各ゲームでは、クリア達成率によって銅メダル~金メダルの評価を得られる。 獲得したメダルに応じてごほうびを貰えるため、高い評価を目指す理由付けとなる。 ミニゲームは大きく分けて、文字入力系・リズムタッチ系・タッチアクション系、の3種類を遊べる。 ゲームが始まる前には遊び方の説明を読める。 概ね、制限時間以内にミニゲームをクリアすれば次の話に進める。 失敗したとしてもペナルティは無く、クリアするまで何度でもゲームをやり直すことはできる。 評価点 個性豊かなキャラクター 全てのキャラクターが個性豊かという言葉には収まりきらないほどの独特性を持っている。 各ミニゲームの前後には彼らによる掛け合いがあるのだが、それらは毒々しくも愛らしく、面白い。 クリアしやすい コンティニューが無制限にできるため、何度失敗してもすぐにそのゲームをやり直せる。 賛否両論点 ストーリー おそらくこのゲームで最も良い点であると同時に最も分かりにくい点。 ネタバレのために詳細は伏せるが、少々変わったラブコメディとして始まったものが最終的に宇宙戦争になってしまう。 もちろん、最終話に至るまでにいくらかの布石は打たれていることやストーリー欄にもある通り、このゲームがUGSFシリーズに属するものだということを知っていれば納得できる展開だと思われる。 しかしそうでなければ、いわゆる超展開だと思われたとしても無理はないかもしれない。 問題点 基本的にはタッチペンのみで操作しなければならない。 ステージを選択する際の上下スクロールがボタン操作で行えないのは少々もどかしい。 文字入力の認識率に難がある。 丁寧に描けば問題は無いのだが、基本的にはどのゲームにも時間制限があるため、焦って書いてしまう場合が多く失敗しやすい。 3文字ずつしか入力できない。 例えば「さかもとりょうま」と入力したい時には「さかも → とりょ → うま」と、途中でページを2回切り替える必要がある。 無駄に時間がかかってしまうのは、前述の文字入力についてのことと併せて問題となってくる。 金メダルを狙おうとすると、一部の問題の難易度が高すぎる。 特に漢字の読み仮名を答える問題では、小中学生が習わない漢字も当たり前のように出てくるため難しい。 ストーリーを進めるだけなら最も簡単なレベル1をクリアすればいいだけなので、ゲームに詰まってしまうことは無い。 総評 子ども向けなキャラクターとゲーム性に、ある程度以上に年季の入ったゲーマー向けのストーリーを混ぜ込まれた不思議な作品である。 いくらかの問題点はあるが、それも気にならなくなってしまうほどに魅力的なストーリーを持っているゲームであるため、機会があれば是非一度遊んでみてほしい。 余談 DS/3DS/WiiUの『太鼓の達人』シリーズに、このゲームのED「恋はみずいろ」が収録されている。 公式ブログにゲームの後日談が載っているが、その衝撃的な内容は今でも一部で語り種となっている。 世界観・キャラクターデザインを手がけたのは『太鼓の達人シリーズ』を手がけた横尾有希子氏。 本作の狂気的な作風は、『ドラッグ オン ドラグーン』や『NieR』シリーズの企画者として有名な夫であるヨコオタロウの影響もあるのであろうか?
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8156.html
シレン・モンスターズ ネットサル 【しれんもんすたーず ねっとさる】 ジャンル 育成スポーツアクション 対応機種 ゲームボーイアドバンス メディア 64MbitROMカートリッジ 開発・発売元 チュンソフト 発売日 2004年4月22日 定価 4,800円(税抜) プレイ人数 1~4人(2人以上は通信ケーブルが必要) 判定 良作 風来のシレンシリーズ関連作品リンク 概要 登場キャラクター システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 風来のシレンシリーズのモンスター達が行うスポーツ(フットサル)ゲーム。 シリーズ(*1)から流用されているのはほぼキャラクターだけで、ジャンルも世界観も全然別物である。 主人公のシレンは登場しない。あえて言うならプレイヤー(監督)が主人公か。 ルールはフットサルに準拠するが、反則なし・妨害あり・必殺技ありのハチャメチャなゲームとなっている。 登場キャラクター + 折り畳み 選手(サル)と主な出身地 マムル 韓国、アメリカ 最初から「電撃に強い」「忠誠心が高い」の特徴を持つ。特技は持たないが、そのぶん特技使用時のスキがなくスタミナを温存しやすい。 おばけ大根 韓国 「どく草」を投げて、当たった相手を鈍足状態にする。 死の使い イングランド 特技使用時のみ、倍速で移動できる。初期体重が0kgでありフィジカルは弱い。 デブータ 中国、韓国 石を投げて、当たった相手を行動不能にする。敵キーパーにも有効。 ぬすっトド イタリア ボールを盗んで相手ゴール前にワープする。キーパーにするとゴールががら空きになるリスクを負う。 ンドゥバ インド、ウルグアイ ボールに化けて、敵選手をおびき寄せる。「フラフラしない」を持つ相手には効かない。 ゲイズ オーストラリア、パラグアイ、オランダ 催眠術で相手を寝返り状態にする。格上キラー。「忠誠心が高い」を持つ選手とキーパーには効かない。 オヤジ戦車 ドイツ 大砲を発射し、目標地点に達するか誰かに当たると爆発して爆風に触れた者を吹っ飛ばす。 カラクロイド ロシア、アメリカ 地面に爆弾を2つまでセットでき、踏むと爆発する。最初から「爆発に強い」を持つため自爆しない。 チンタラ アジア、オセアニア全域 最初から「炎に強い」「フラフラしない」の特徴を持つ。マムル同様、特技は持っていない。 にぎりへんげ(*2) メキシコ 口から息を吐き、相手をおにぎり状態にする。おにぎりを炎で焼くと焼きおにぎりになり、強制退場させられる。 マルジロウ パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル 丸まりタックルで相手を転ばし、持っているアイテムを落とさせる。 タイガーウッホ 南アフリカ、ナイジェリア 選手をつかんで放り投げる。キーパーも持ち上げ可能。長時間投げないでいると自分が行動不能にされてしまう。 パ王 インド、カメルーン 封印の杖を振り、特技を使用できなくする。 ひまガッパ フランス、オランダ、ウルグアイ 特技により投げつけられた物を投げ返す。パ王の杖とドラゴンの炎は投げ返せない。 ドラゴン(*3) ブラジル、アルゼンチン 炎を吐いて、当たった相手を燃え状態にする。「炎に強い」を持つ選手には効かない。燃えている選手に触れると燃え広がる。 マーモ オーストラリア ボールを自分の体に収納し、ボールを奪われにくくなる。木製のためか最初から「炎に弱い」の特徴を持っている。 ンフー スペイン、アメリカ 受けた特殊能力をラーニングして使えるようになる。別の特殊能力を受けると上書きされ、前のものは忘れてしまう。 秘書 高嶋ヒヨ 礼儀正しい日本人秘書。趣味は潜水艦だが一度も乗った事がない。 ジェニファー・ロペヌ アメリカ人チアリーダー。やる気の低い選手を応援し、やる気を上げてくれる。 イザベラ・マルビエーリ セレブなイタリア人。イタリアの選手の内情に詳しい。 ただのにぎ子 にぎりへんげの女の子。モンスター語を話せるとの事だが…。選手達には不評。 おばぁ 出身地不明の老婆。ネットサル業界では知らない人がいない伝説級の知名度を持つ…らしい。 システム 試合ルール フィールダー3人、キーパー1人の4人制。 試合時間は2分ハーフ。 対戦のみ1分や4分に変更可能。能力や必殺技の有無も設定できる。 7点差がつくか15点取ると「ワンサイドゲーム」となり試合終了。 試合中にはフィールドにアイテムが降ってくる。S(スペシャル)を取れば習得した必殺技が発動可能になる。 反則はない。イエローカードやレッドカードもない。 スタミナが切れた選手は自動で控え選手と交代になる。控えがいないときは長時間気絶してしまう。 試合中、選手がランダムでプレーミス(ポカ)をやらかす。集中力の能力値が高いほど出にくくなる。 チーム育成 最初にキャンプ地域と秘書を選択する。選手は秘書が5人集めてくれる。 1ヶ月間の間練習し、仕上げに他チームと試合を行う。 合間に買い物やイベントが起きることがある。お金は試合などで得られる。単位はG(ギタン)。 選手の能力値はE~A・S・SS・☆の8段階。体重(フィジカルの強さ)は0~250kgまで。 練習にはレベル(1~3)があり、練習レベルが高いほど得られる効果も大きい。練習レベルを上げるにはアイテムとして購入するか、試合の賞品として手に入れる必要がある。 特定の練習をすることで特徴が身についたり、必殺技を習得することがある。 選手には「やる気」のパラメータがあり、これが高いほど練習による成果が上がり、試合での動きも良くなる。 練習や試合で「爆発的に成長」することがあり、能力値が段階ごと上昇する。 10か月経過後、優秀な選手をトップチームに登録する。登録できるのは12名まで。 登録が終わったら再度最初から育成のやり直し。ただしストーリーや撃破したチームは引き継がれる。 トップチーム登録済みの選手は最初の育成候補に出て来なくなる。再度育成したければトップチームから外すしかない。 チャンピオンズリーグ トップチームを使用し、リーグに挑戦する。 リーグはサード・セカンド・トップの3種類あり、トップリーグで優勝するとエンディング。 最強への道 サードリーグ優勝後に使用可能になるモード。トップチームを使って対戦し、段位を上げていく。 通信ケーブルを使用すれば、他ソフトのチームデータをもらって登録できる。 プレイヤーは操作できない観戦形式となる。 段位が上がると、トップチーム登録選手の能力が上がる。 逆に言うと、登録した選手をさらに成長させる方法はこれしかない。 評価点 チーム育成1回目はチュートリアルを兼ねており、色々と補足説明が出る。シリーズの「ちょっと不思議」みたいなもの。 育成効率は良くないので、強力な選手を育てるのには向かない。 特定の国制覇などで隠し地域が出現する。隠し地域はキャンプ地に選べない。 フィールドに特徴があり、炎が吹き荒れる・雷が落ちる・能力が使えないなどクセが強い。 炎に強いチンタラや雷に強いマムルを集めるなど、地域攻略専用チームの育成が求められる。 オートセーブ機能により不正対策が徹底されている。 まずい結果になったからといってリセットしても結果は変わらない。 育成を最初からやり直すことは可能。これにより育成スタート時のキャンプ地や選ばれたメンバーが気に入らない場合はやり直しできる。 試合中はオートセーブされないが、試合中にリセットすると強制負けになる。このゲームの元ネタである風来のシレンの経験者にわかる言い方をすると、ダンジョン突入時の強制セーブと同じ。不正防止としては当然の措置である。 本体の電池が切れた場合も同様だが、それを防止するため試合中はポーズからスリープモードへの切り替えも可能。 最近では、練習直後にリセットを行うことによるイベントの完全キャンセル、及び乱数固定を利用した練習での爆発的成長の連続発生などが発見されてはいるがテクニックとして容認されている。(*4) 反則がないので、試合ではやりたい放題。やり方によってはかなり格上のチームにも勝つことができる。 必殺シュートで豪快に点を決めたり、妨害アイテムで敵キーパーを無力化してドリブルで突っ込むなど戦法も自由自在。 時間を巻き戻して得点を無かった事にする、残り時間に関係なく試合を終了させるといったヒキョー(原文ママ)極まりない必殺技もある。 「レイズアップ」というアイテムを取るたびに、次に決めた得点が2点、3点と増えていく。大逆転も夢ではなく、ここぞという時のために必殺技を温存するのも手。 試合で特定条件を満たすと、アイテムがもらえるなどのおまけがある。 条件とはワンサイドゲームで勝つ、1人の選手が3点取る(レイズアップ可)、相手全員をおにぎりにする(*5)などがある。 このおかげで逆転性が高い反面明らかな格下チーム相手にはサクッと決着が付けられ、ダレにくい。 購入やイベントで助っ人選手を育成チームに入れることができる。育成もできるがトップチームには入れられない。 爆裂ヘッドを持つ「うほざわ(タイガーウッホ)」、キングの異名を持つ「ゲズ(ゲイズ)」、勝負弱いFW「にぎりさわ(にぎりへんげ)」など実在人物をモデルにしている。 中には「ジャッキー・チン(チンタラ)」、「イジロー(マルジロウ)」などサッカー選手ですらない助っ人も。 エンディング後も続行可能で、やり込み要素は高い。 隠し地域全解放、育成効率を吟味して最強選手の作成など、やれることは多い。 隠し地域の強力チームもトップリーグに参戦してくるようになるので、手ごたえがさらに上がる。 賛否両論点 育成・試合とともに運要素が強め。 爆発的成長の効果が非常に強く、なおかつ爆発的成長の発生確率はやる気の高さや試合相手の強さなどが関係しない運任せとなっているため、ある程度以上能力値の高い選手を育てられるかはこれがどれだけ発生するかという運任せになっている。 練習で爆発的成長が発生した場合おおよそ練習4回ぶん以上の効果、試合で爆発的成長が発生した場合ポジションにもよるがおおよそ練習10回ぶん以上の効果となる。なお、1体に練習させられる回数は10ヶ月通して基本的に最大40回で、狙ってこれ以上の回数にすることはできない。 おおよそ全能力値B~A程度までの能力値であれば運がそれほどよくなくても実力次第でぎりぎり狙えるが、全能力値S以上となるとどれだけ実力が高くてもこの爆発的成長が発動しない限り到達不可能。能力値に関しては、運の悪さを実力で補うという要素は風来のシレンよりも乏しい。 余談だが、敵チームの中には全能力値S以上レベルのチームがある。ただし当該チームは隠し地域にしかいないため、やりこみプレイヤーのための存在としてみればこれは問題ではない。 特徴や必殺技も「条件を満たした上でランダム」というもののため、育成開始時から狙っても最後まで取れないこともある。 試合も特殊能力によりGKを無力化する手段が多く、能力差があっても得点されやすい。必殺技とアイテム(特にSボールとレイズアップ)が絡むため逆転性がかなり強め。 これにより、CPU相手だろうと格下相手だろうと良くも悪くも油断できないバランスになっている。 問題点 育成データが一つしか作れない。 一回きりのイベントも多いため、秘書別の反応を見たいなどといった場合は最初からやり直さなければならない。 チーム名やチームカラー、エンブレムの変更も不可能。 チームカラーはホームとアウェイの2種類選べるが、同一チームは全員同じ色になる。 同じ種族の選手を複数起用する場合に見分けがつかない。特にCPUチームは特色を出すためか4人全員同じ種族というチームも多く、まぎらわしい。 種族のバランスがやや悪い。 マルジロウが強すぎる。 特殊能力の丸まりタックルはお互いの能力値に関係なく相手を吹っ飛ばせるうえ、防げる特徴が存在しない。ボールを持ったキーパーも吹っ飛ばしてボールを奪ってシュートといったやりたい放題も(*6)。 そもそも至近距離限定とはいえ隙が少なく絶対に成功するという性質自体、通常のタックルアクションの使う意味を無くしタックル能力値を上げる手間を消しているのが壊れ気味。 唯一パ王の封印で使用不能にしておくことはできるが、「封印よけ」を持っているとどうしようもない。こうなると操作していれば完全に通常のタックルを使用する機会がなくなる。 しかもほぼ唯一、敵のアイテムを落とさせることができる効果もある(*7)。他の種族より段違いで必殺技を連発でき、他の種族からすればアイテムによる妨害や必殺技の使用機会をすぐに奪われてしまう。 使いづらい種族も多く、特にオヤジ戦車は筆頭。 オヤジ戦車の大砲は敵味方問わず爆風の当たり判定があり、1人出場しているだけで選手が吹っ飛びまくる大荒れの試合になりやすい。原作通りの仕様ではあるが。 無効化特徴の「爆発に強い」をカラクロイドが初期から持ってはいるが、カラクロイドの爆弾設置も「爆発に強い」がないと味方にも当たる困りもの。一応、こちらは設置技ということでオヤジ戦車よりは邪魔になりにくいが。 オヤジ戦車本人は「爆発に強い」を初期状態では持たないため、至近距離の選手に砲撃し自分もろとも吹っ飛ぶことがある。CPU操作のキャラにするにはずいぶん難がある種族である。原作では自分自身の砲撃でダメージをくらうことはないのだが……。 「爆発に強い」を習得するにはチームメイトにオヤジ戦車が必要になる。これをオヤジ戦車自身につけるにはチームに2名もオヤジ戦車を入れるというリスクを負わなければならない。 ドラゴンの炎も敵味方問わず当たり、特殊能力も「炎に強い」がないと選手やボールを介して燃え広がる。こちらの特徴は練習で付けられるのでまだマシか。 この二種族は味方全員に無効化特徴をつけること前提の上級者向け種族となっているが決して弱いわけではない。そのハードルを越えられれば強力な種族として機能してくれる。 ドラゴンはにぎりへんげと組んだ時の「焼きおにぎり」という強力な戦術(*8)もある。 必殺技のランダム性が高い。 必殺技を複数覚えていると、Sボール習得時にランダムに抽選される。使いたい必殺技が出てこないと一度他のアイテムを取得してから再度入れ替えるしかない。 せっかく強力な必殺技を覚えても、別の必殺技を覚えると抽選率が下がり、組み合わせによっては弱くなる。 必殺技のほとんどは練習中に勝手に覚えるというのも困りもの。習得イベントが起きた瞬間にオートセーブされるため、リセットしても取り消せない。 総評 スポーツというよりハチャメチャバトルだが、ゲームとしての出来は良く、2分ハーフという試合の短さもありテンポも良い。 キャラクター以外はほとんどオリジナル仕様であり、シレンシリーズを知らない人でも問題なく遊べる。 操作説明やチュートリアルも充実しており、やり直しも容易、戦法次第で格上に勝てるなどの要素でアクション苦手な人にもお勧め。 一方でシリーズの中ではかなり異端な作品であるのも事実で、本家のようなゲーム性を期待してはいけない。 余談 最新ゲーム機に配信や移植はされていない。考えられる理由としては、どこでもセーブ機能を使うと不正な育成ができてしまいゲームにならないからだろう。 そういった機能がある本体で遊ぶ場合でも、使わない事をお勧めする。 マルジロウは原作の『風来のシレン2』でも味方にするとバランスブレイカーと評されている。 『風来のシレン5』のモンスター図鑑で、本作に登場するモンスターの一部が本作をネタにしている。 『風来のシレン6』のもののけ道場のメニュー画面で、本作のアレンジBGMが使用されている。 また、行商人に「ナゾーさん」という名前が付いており、本作に登場した行商人と同名である。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/1893.html
クイズ タッチけんさく 虫図鑑DS ~虫をさがそう・しらべよう~ 【くいずあんどたっちけんさく むしずかんでぃーえす むしをさがそう しらべよう】 ジャンル 検索型虫図鑑&虫クイズ 対応機種 ニンテンドーDS メディア 512MbitDSカード 発売元 スパイク 発売日 2007年7月12日 価格 3,990円(税5%込) プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 800超の虫情報を収録したデータベースソフト害虫の苦手な人要注意余計なアンロックの押し付け 概要 主なルール・モード 評価点 問題点 総評 概要 昆虫館「群馬県立ぐんま昆虫の森」の園長である矢島稔氏による監修による、総計886種類もの虫(非昆虫も含む)の情報を収録したデータベースソフト。 メインはデータベース鑑賞だが、おまけとして約3,000問のクイズと4種類のミニゲームもプレイできる。 オートセーブ方式。 主なルール・モード 虫ずかん 886種類の虫情報を写真付きで鑑賞できる、本作におけるメインモード。 以下の10種類の分類から鑑賞したい虫を選べる。なお、「外国の虫」に関しては特定条件を満たさないと鑑賞できない。 「トンボ系」「バッタ・カマキリ系」「セミ・カメムシ系」「カブトムシ・クワガタムシ系」「アブ・ハエ系」「チョウ・ガ系」「ハチ・アリ系」「クモ・ムカデ系」「その他系」「外国の虫」 虫によっては鳴き声を聴く事もできる。 虫情報以外にも以下の項目が用意されている。 「飼いかた」…虫の飼い方が示されている情報。 「豆ちしき」…虫に関するトリビアが示されている情報。この項目は特定条件を満たさないと鑑賞できない。 「用語辞典」…一般的にはあまり聞き慣れないと思われる、虫に関する専門用語が示されている情報。 「全部見る」…上記の虫情報を一括ですべて鑑賞できる。 虫けんさく 検索により鑑賞したい虫情報を鑑賞できるモード。 検索方法は「いろいろけんさく」「なまえけんさく」「なかまけんさく」の3通り。 虫クイズ 虫に関するクイズがプレイできるモード。 ゲーム開始時は「かんたん虫クイズ」と「しゅるい別クイズ」から選択できる。特定条件を満たせばさらに特別なクイズが選択可能となる。 「かんたん」「しゅるい」における問題は各10問構成。解答方式は四択選択や文字入力など様々である。 クイズが終了すると結果によって成績ランクが表示される。 出題された問題を誤解答すると正解が表示される他、クイズ終了後に出題された問題を復習できる。 ミニゲーム 4種類の虫を使ったミニゲームがプレイできるモード。 ミニゲームの内容は以下の通り。 「だんご虫ころがし」…タッチペンでダンゴムシを転がして穴に入れていくゴルフ風ゲーム。 「てんとう虫みつけた」…上画面に表示されたテントウムシと同じものを、下画面から探していくゲーム。 「ほたるの虫さがし」…ホタルの光を頼りに、画面内に隠れている虫が何かを当てていくゲーム。 「虫くいなまえかき」…虫食いクイズが出題されるので、虫食いの箇所を解答していくゲーム。 プロフィール プレイヤーのプロフィールを登録できる。 評価点 虫情報の数はなかなか豊富。 流石に世界中の虫すべてとまではいかないが、800超の虫情報が収録されているのは素晴らしい。 定番の虫はもちろんの事、知名度の低いマイナーな虫までもが余すところなく網羅している。 一部の虫は鳴き声が聴けたり、虫に関するトリビアなどが鑑賞できる項目もなかなか嬉しい。 DSの画像解像度では写真の映りが若干ぼやけている面があるものの、その収録写真数は非常に多い。 かなり遠慮のない範囲で多彩な虫が収録されている。 すなわち、毛虫、ゴキブリ、ムカデといった実害虫、もしくは不快害虫もちゃんと写真付きで収録範囲に入っている。 カブトムシなどの人気昆虫に関しても幼虫の写真込みで紹介されており、そういうの生理的に受け付けない人には相当きつい思いをするかもしれない。 問題点 全体的に難易度の高い虫クイズ。 主にお子様を対象にしていると思われる本作だが、そのクイズ内容は異様にマニアックな問題が中心となっている。 "かんたん虫クイズ"ですらとても「かんたん」とは思えない難易度である。これはレビューサイトでも指摘されている。 とはいえ、問題はいくらでも復習可能なので、記憶していけば各クイズのパーフェクト正解も決して不可能ではないだろう。 本当におまけレベルのミニゲーム。 たった4種類のミニゲームしかなく、そのどれもがお世辞にもボリューミーとは言えない。 地味に熱中できるミニゲームもない事はないが、所詮は子供向けのシンプルなものであり短時間プレイで飽きてしまう。 "だんご虫ころがし"のダンゴムシの絵面が異様にリアルで、上記同様虫耐性のない人にはプレイするのも嫌になるかもしれない。これまたレビューサイトで突っ込まれている。 "虫くいなまえかき"はミニゲームというよりは完全にクイズ寄りのゲームであり、ミニゲーム扱いになっているのが不可解である。 入れる必要がまるでないアンロック解禁仕様。 隠し要素の押し付けにより、ゲーム開始時はすべての情報が鑑賞できない。 そもそも本作は「虫情報を収録したデータベースソフト」であり、通常ならばすべての項目が始めから観覧できて当たり前なはずである。にも拘らず、一部項目は特定条件を満たさなければならない馬鹿げたアンロックがかかっている。しかも、解禁するまでにかなりの手間がかかるとオチまで付く。 同社の『伊東家の裏ワザDS』といい、明らかにプレイ時間を水増しさせてボリューミーに見せかけようとする的外れな措置にしか見えない。 総評 明らかな意図が見え隠れする余計なアンロック要素などの問題はあるが、虫情報のデータベースソフトとしての質は高い部類に入るであろう作品。数々の虫図鑑本情報がDS一台で鑑賞できる事を考えるとその利便性は高いだろう。 ただ、気持ち悪い不快害虫といった類も当然の如く網羅しているので、「人気のある昆虫だけをピックアップ」という臭いものに蓋をした収録網ではない点は注意されたし。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8941.html
本項目ではPSV版『VARIABLE BARRICADE』と、Switch版『VARIABLE BARRICADE NS』について併記します。 VARIABLE BARRICADE 【ばりあぶる ばりけーど】 ジャンル 逆攻略系ラブコメADV 対応機種 プレイステーション・ヴィータ メディア PlayStation Vita専用ゲームカードダウンロード販売 発売・開発元 オトメイト(アイディアファクトリー) 発売日 2019年4月4日 定価(税込) 通常版 6,930円 限定版 9,130円 ダウンロード版 6,380円 プレイ人数 1人 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 なし ポイント 箱入りお嬢様VS超個性派ダメンズ良くも悪くもアクの強いキャラ達 VARIABLE BARRICADE NS 【ばりあぶる ばりけーど にゅーすてーじ】 対応機種 Nintendo Switch メディア Nintendo Switch専用ゲームカードダウンロード販売 定価(税込) 通常版/ダウンロード版 6,930円 限定版 9,130円 発売日 2020年6月18日 判定 なし ※共通項目は省略 概要 ストーリー 登場人物 ゲームシステム 評価点 問題点 総評 絶対落ちてやるものか 概要 アイディアファクトリーとその子会社であるデザインファクトリーが共同設立した女性向けゲームブランド「オトメイト」の一作。公式の通称は「バリバリ」となっている。 本作はヒロインを落としたいヒーロー達と、落とされてたまるかと心の「バリケード」を張るヒロインとのハチャメチャな日々を描くラブコメディ。 女性主人公視点で男性攻略対象キャラとの恋愛を楽しむいわゆる「乙女ゲー」であるが、本作は一般的な乙女ゲーとは逆に主人公が攻略される側に回る。 そして、主人公自身は攻略されたくないという特徴的な作品となっている。 Switch版のタイトルの「NS」は「Nintendo Switch」ではなく「New Stage」を指す。 ストーリー ――出会って5秒でプロポーズ!? 名門東条家の一人娘・ヒバリの前に現れた謎の美形男子たちは、彼女の天敵である祖父が差し向けた花婿候補だった。 ヒバリの勘は告げていた。この話、きっと裏がある。何故、今なのか。そもそも彼らは何者なのか。どう考えても怪しすぎる話に断固拒否の姿勢を見せるも、祖父の決定は絶対。あれよあれよという間に別邸を与えられ、結婚を前提とした共同生活が始まった。 4人の男たちはあの手この手で彼女を口説き、婿の座を狙う。めくるめく誘惑の日々の中、ヒバリは固く決意した。 絶対落ちてやるものか、と―― (パッケージ裏および公式サイトより) 登場人物 + 詳細 東条ヒバリ(CV:藤田咲) 本作の主人公。名門・東条家の令嬢。17歳。一般家庭に生まれたが、両親の死後に祖父であり東条家当主である東条鷹宗に引き取られ、東条家に入る。名前のみ変更可能(*1)。 一見、大人びた模範的優等生で学校でも憧れの的であるお嬢様だが、実はかなりの世間知らずでコミュ障気味のツンデレ娘。色恋沙汰にも疎い。 光森壱哉(CV:鳥海浩輔) 本作のメインヒーロー。甘いマスクの恋愛特化型美男子。26歳。スマートな大人の余裕を武器とするが、その実態はドン引き級に愛情過多且つ弄られ体質という残念なイケメンで、毎度のように主人公をクサい台詞で口説いては玉砕を繰り返す。料理が得意な為、共同生活では主夫のような役回りに。 罪状は「結婚詐欺師(未遂)」 石動大我(CV:岡本信彦) 口が悪く野生的な俺様系自由人。23歳。主人公に対して容赦が無く態度も粗野でデリカシーも無い一方、面倒見が良く思慮深い一面を見せる。世界中を旅しているために見識も広く、主人公にも多くの影響を与える。しかし海外のカジノで相当スっている模様。 罪状は「ギャンブル狂の疑い」 黛汐音(CV:野島健児) モデルでも通用するほどの容姿を持ち、自身を愛する多くのパトロンを持つ美青年。22歳。ファッションや美容に精通するが、一般常識とかけ離れた独自の価値観で生きており、主人公に対しては際限なく甘えさせる一方、テリトリー外の相手には極めて無関心。そして絶対に働かない。 罪状は「天性のヒモ」 八神那由太(CV:下野紘) 明朗快活で人懐っこい健康優良児。20歳。常人離れした身体能力の持ち主だが、猪突猛進且つ極めて単純な性格で精神年齢も低く、主人公に忠実なその様は飼い犬そのもの。放し飼い野放しにすると騒動を巻き起こす。しかし「仕事モード」に入ると別人のように豹変するらしい。 罪状は「歩く借金製造機」 春日(CV:田丸篤志) 主人公の幼少期から公私を支える専属執事。19歳。非常に有能であらゆる仕事を完璧にこなし、主人公には厳しく接しつつも全てを捧げるかの如く奉仕し続ける。しかし時には行き過ぎな行為に出る事も。 ゲームシステム バリケードボード 本作のシナリオは双六などのボードゲーム状の画面で表現される。個々のイベント(エピソード)はボード上のマスで表現され、イベントをクリアすると次のマスが選択可能になる形式である。ボード一つにつき一つの大きなストーリーが展開される。 『スーパーマリオブラザーズ3』のようなワールドマップ ステージ選択型のゲームをADVでやったようなものと思えば良い。それらのようなゲームで言えば、イベントのマスがステージ、ボードがワールドに相当する。 ゲームを開始すると共通ルートにあたる「共通ボード」が始まる。その後、花婿候補に応じた4種類のボード(個別ルート)へと分岐していく。本作はこの5種類のボードで進行する。 候補一人につきレベル1~3までの3つのボードが存在する3章構成となっている。しかしレベル1のボードは全員必ずプレイしなければならない。 全員のレベル1ボードをクリアし、共通ボードの最後のマスに到達すると、そこで誰のボードに進むかを選択する事になる。以降はその選んだ候補のレベル2、レベル3のボードをプレイする事になる。 2周目以降は候補を選ぶ場面までスキップすることが可能。バリケードバトル(後述)の結果も設定できる。 全員のボードを全てクリアすると、そこからトゥルーエンドルートにあたる6種類目のボードに分岐可能になる。 クリアしたイベントはタイトル画面の「GALLERY」から見返すことが可能。 バリケードバトル 主人公が「攻略される」関係上、一般的な恋愛ゲームのような好感度は存在せず、選択肢で上昇する主人公の「理性値」と相手側の「恋愛値」が用意されている。これらはボード毎に個別で、ゲーム全体には影響しない。 花婿候補のボードのラストではその候補が主人公を落とそうと戦いを挑む「バリケードバトル」が発生する。「理性値」は主人公の防御力、「恋愛値」は候補の攻撃力にあたり、それに応じて主人公側の防壁と候補側の武器が変化する。 バトルが始まると王子様姿の候補がお姫様姿の主人公の防壁を武器で攻撃し、恋愛値が理性値を上回っていれば敗北(=落ちる)。理性値が恋愛値以上であれば勝利(=お断り)となる。その結果に応じて以降の展開が変化する。 武器は棍棒から伝説の剣まで。防壁は柵から城壁、結界まで進化する。 RABI ウサギ型ロボット「RABI(ラビ)」を使って花婿候補達の様子を覗き見るシステム。候補達はRABIに録画機能が付いている事を知らないため、ありのままの姿で過ごしている様を主人公が見る事になる。 RABIの散歩コース(部屋や廊下など)を設定すると、そのコースに応じたショートシナリオを見ることができる。内容は候補達の赤裸々な日常や男の友情など様々。最後はその録画映像を見た主人公がツッコミを入れて終わる。 翌年に発売されたSwitch版はシステムの利便性の向上の他、後日談となる追加シナリオや新規CGの追加が行われている。 PSV版の方にアップデートやDLCでのフォローは無いためPSVプレイヤーにはあまり愉快な話ではないが、そちらを既にクリアした人向けとして、Switch版には本編クリア済みの人なら分かる質問に答えて追加要素を全て解禁する「フルオープン」機能が備わっているため、追加要素目当てで再度周回する必要はない。 なお、質問に間違えると春日からの手厳しいツッコミが返ってくる。 評価点 色々な意味で濃いキャラクター 花婿候補達は容姿だけは完璧なのにとにかく中身は残念且つ濃く、しかも全員無職。そんな彼らの織りなす物語はひたすらにハチャメチャなものになっている。 そもそも乙女ゲーで、しかも「主人公にぞっこんのイケメン達に迫られる」というシチュエーションでありながら「誰にも攻略されたくない」「全員お断り」と思わせる舞台設定の時点で常軌を逸している。 名家のお嬢様がどこの馬の骨とも知れぬ無職達と突然の共同生活という無茶苦茶な設定だが、その理由はしっかり作中で説明されており、何故このような事になったのか、彼らがどのような意図を以て花婿候補に立候補したのかは自ずと明らかになっていく。 主人公との絡みだけではなく候補同士のやり取りもおかしく、見た目からは想像し難いほどのドタバタ劇が展開される。 無論、残念なだけではなく、ルートを進める毎に彼らの優れた点や別の面も見えてくる。そんな彼らの前に主人公が「落ち」ていく様子や逆に主人公から寄り添っていく過程もまた見所である。 また、ストーリーが佳境に入る(=主人公の気持ちが決まりつつある)頃には、選ばなかった候補達は嫉妬の表情一つ見せず潔く負けを認め、主人公達の応援・バックアップに回るのも好感が持てる。 候補達を演じる声優陣も数々のアニメやゲームで主役級のキャラを演じた有名声優ばかりで、そんな声優陣が彼らをイケメンとしてもダメンズとしても生き生きと演じる。 特にメインヒーローである壱哉は「残念なイケメン」を全身で体現したようなキャラであり、乙女ゲーのヒーローとは思えないほど「ダメ男」として描かれる。 共通ルートの時点で色々とダメな姿を見せつけられる事になるが、当人のルートに入るともっとダメな内面に直面する事になる。それだけに彼のルートはハードルこそ高いものの、「自分が付いていなければ」と思わせる感情移入度の高い展開であり、彼自身も自分のコンプレックスと向き合い、成長していく様子も描く本作でも濃い内容となっている。クライマックスも盛り上がり、エンディングは綺麗な着地点とコミカルさを併せた清々しい結末を迎える。 作中屈指の感情移入を促すキャラなので、最初に壱哉ルートをやってしまうと以降のルートで彼を選ばない事への罪悪感を抱いてしまうほど。それに加え、攻略対象としてのハードルの高さも然ることながらストーリーの根幹にも関わるルートなので、最後にプレイする事が推奨される。 元々は別の声優が担当する予定だったが、諸事情で鳥海氏に変更されたとのこと。その結果、氏に寄せてシナリオがより派手でドロドロした方向に修正されたという。 主人公だけではなく、候補の視点で展開されるシナリオも多く、双方共に感情移入を促進させる作りになっている。 主人公自身もかなりキャラクターが固まっており、つっけんどんに「バリケード」を張りながら簡単に落ちたり、候補達を叱りつけたりなど作中でも多彩な表情を見せる。男性視点で見ると中の人が初音ミクという事もあり確かに「攻略したい」と思わせるキャラで、候補達の気持ちが分かること請け合い。 凜とした優等生のはずが、実際はかなり初心で精神的に未熟な面が多く、その主人公自身も候補達と共に成長していくのが本作の醍醐味の1つと言える。 主人公故に普段は立ち絵は無いがメッセージウインドウの横に顔が表示されるため、表情が常に分かる(*2)。オプションで非表示にする事も可能。 また、完璧過ぎる執事だがどこかおかしい春日を始めとする、主人公や候補以外のキャラもいずれも個性的。 春日については攻略対象ではなく主人公と結ばれる事も無いが、実質的には5人目のヒーローとも言え、彼自身が関わる最後のトゥルールートでは実は候補達顔負けに残念であった事が判明する。 ちびキャラが可愛い コミカルなイベントで表示されるスチルでは主人公達がデフォルメされたちびキャラで描かれる事が多く、更に漫符や書き文字も加えて漫画のように表現されており、よりイベントのコミカルさを強調している。 そしてこのちびキャラがちょこちょこ動くバリケードバトルは、結果が分かっていてもつい見てしまうような微笑ましい演出となっている。 レベル3ボードにあるルート最後のバリケードバトルでは短いながらもオープニング主題歌『Sixteen』がBGMとして流れる。ストーリー的にもクライマックスでバトルに突入するため、盛り上げる演出として作用している。 個別エンドのスタッフロールは主人公と花婿がリビングでテレビを見る形であり、テレビには作中のスチルが流れ、それを見る二人の様子がちびキャラで表現される。スチルに応じて二人の表情が変わるのも、EDテーマ『三等星の恋』の曲調も相まって甘ったるくてGOOD。 BGMも作風や場面の雰囲気によく合っている。 主人公、花婿候補、春日の6人にはテーマ曲が設定されており、各々のイメージに合致しているのは勿論の事、序盤に映る候補達の履歴書に書かれた「好きな音楽」のジャンルがそのまま彼らのテーマ曲になっているのも芸が細かい。 最も聴くであろうタイトル画面、およびバリケードボードでのBGMが変更可能なのも地味に嬉しい点である。 問題点 キャラの濃さは悪い意味でも強烈 花婿候補達の癖の強さは本作の長所であると同時に短所にもなり得る。当人のルートに入ると、当初の印象すら霞むようなそのキャラの本質的な欠点が浮き彫りになってくる。 壱哉は上述した通りなので、乙女ゲーのヒーローでありながら開発スタッフをして「無理」と言わしめ、公式サイトの声優コメントでも「上級者向け」などと言われるほどに難易度が高い(*3)。それを乗り越えられれば良いのだが、その前に脱落しても仕方ないほどに彼の癖は強い。 特にレベル2ボードのとあるシーンの姿は主人公も他の候補も誰もが引いており、プレイヤーも間違いなく同じ反応になるだろう。これを乗り越えられるか否かに壱哉攻略が掛かっていると言っても良い。 他も、普段は常識人で大人の姿を見せておきながら自分が迫られると逃げに走る大我、価値観が独特過ぎて常識がまるで通じない汐音、根本的にズレている那由太と、徐々に見えてくる彼らのネガティブな癖はかなり人を選ぶ。 基本的に彼らも精神的に成長することでそれらを克服していく訳だが、汐音に限っては最後まで自分を曲げることが無く終始主人公を掌の上で踊らせ続ける。女子の立場で「攻略される」という点ではそれらしく、担当声優が公言している通り乙女ゲー的な「糖度」で言えば本作で最も高いとは言えるが、単純に物語として見ると消化不良感を抱いても仕方ない。彼の「動物が苦手」という弱点も序盤以外では特に活かされない。 そう言った関係もあり、クライマックスの盛り上がり方もルートによってかなり差がある。壱哉ルートを最後にした方が良いと上述したが、彼のルートを最初にやってしまうと以降が盛り上がらないという理由もある。 主人公も主人公で、「なぜそこで?」というような行動に出たり、煮え切らない態度を取る事が少なくない。 それでいて周りは癖が強い完璧超人だらけで、なおさら主人公や花婿候補達の精神的幼さ、未熟さが際立っている。 主人公の親友である「鹿瀬紬」は一見、お淑やかなお嬢様だが、実態は暴走オタク女子で公私共にゴーイングマイウェイを突き進むトンデモキャラであり、隙あらば主人公を百合作品ばりに愛で、しかも共同生活が始まって早々に「品定め」と称しては候補全員を翻弄して疲弊させるなど、かなりやりたい放題にやっている。気に入った人には好かれる一方、そうでなければ鼻について受け入れ難く、癖の強いキャラである。 もう1人の友人「有村乃愛」は主人公や紬とは全く別の観点から恋愛関係の助言を送るキャラであるが、これまたズケズケと容赦無く指摘する。それが主人公や候補を動かす切っ掛けになっていくのは事実である。 しかし、この2人はやたら設定を盛っている割には、身の上話や過去談が幾らかある程度で当人自身のドラマを描いて掘り下げるようなエピソードは無く、全ルートに渡って終始主人公を応援するセコンド…を通り越して常に正しく導く都合の良い賢者キャラになっている。 時には主人公のみならず候補にすら助言を送る賢者ぶりで、主人公も困ったら彼女達を頼る事を繰り返すため、話の流れがパターン化・ご都合主義化している部分もある。 春日や謎のお兄さん「カズ」や、主人公の祖父などと言ったキャラも賢者的存在ではあるが、これらは特定ルートでストーリーに絡んだり内面の掘り下げは行われている。ただ、春日に関しては別の問題が(後述)。 全ルートを攻略するとトゥルーエンドルートに入るのだが…。 + 若干ネタバレ ある事実が判明して花婿を選ぶどころではなくなり、花婿候補達が協力して事態の収束に当たる。各ルートで個別に明かされていた事実が全て明かされ、物語は大団円を迎える。それ自体は良い。 しかしこのルートで判明する春日に関する事実や、その後の彼の行動などが超展開気味。元々ぶっ飛んだシーンの多い世界観ではあるが、ここはシリアスな場面で突飛な設定が飛び出すため、付いていけなくなる可能性も。また、ボードが一つしか無い関係か展開が早く決着もかなりあっさり付いてしまう。 最終的に花婿を決める必要も無くなるのだが、候補達はまだまだやる気でしかも人数も増えてしまう。様々な出来事を経て彼らを見直した主人公だったが、その様子を見て前言を翻し「やはりこいつらはロクデナシだ。こんな人達から選ぶなんて無理」とゲーム冒頭の精神状態に戻ってしまい、(少なくとも今は)「絶対落ちてやるものか」と改めて決意する。 ドタバタラブコメのラストらしい結末ではあるのだが、個別ルートで散々落ちておいて最後の最後でこのような結末を「トゥルーエンド」として持ってくるのは些か違和感が否めない。 しかもスタッフロール後の後日談は春日とのものと、女子会の2つだけでトゥルーエンドなりの候補達のその後は描かれない。精々、主人公が「もっと騒がしくなった」と愚痴る程度。 挙句、これ見よがしにある最後のマスはおまけCGの開放でしかないため期待すると見事に肩透かしを喰らい、特に後日談シナリオの無いPSV版はクリア後の虚無感が大きい。 エンディングの水増し 各候補毎に「MARRY」「LOVE」「ANOTHER」「BAD」の四種類のエンディングが存在する。リストだけ見ると「MARRY」は結婚まで至り、「LOVE」は恋人になる結末と思えるかもしれない。確かにそれは間違いではないのだが…。 実は「MARRY」エンドは最初に花婿候補達と会った時に彼らの差し出したバラを取った際に見られるネタ的なエンディング(*4)であり、しかも中身は全員マイナーチェンジ。わざわざそれっぽくエンディングリストに載せるようなものとは言い難い。各ルートのハッピーエンドは「LOVE」エンドである。 バリケードバトルの意義が薄め バトルの勝敗で「理性ルート」と「恋愛ルート」に分岐する、という触れ込みだが実際のところはそこまで大きな分岐は無い。バトル直後の展開が若干変わる以外では、バトルに勝ち続ける(=いつまでも意地を張っている)とバッドエンドルートに進むのと、ルート最後のバトルに負けるか否かでエンディングが「LOVE」か「ANOTHER」に分かれる程度。 選択肢を選んだ時点で理性値と恋愛値のどちらが上がったかが分かる(*5)し、ロードやバックログで戻れば選び直せる。勝敗は簡単に操作できるので、バトルと言いつつただの演出にしかなっていない。 また、やり直す場合にしてもボードを攻略し直す必要があり、しかも本作はスキップ速度が遅いので手間が掛かる。 途中から完全に形骸化するRABIシステム ショートシナリオ自体は面白いのだが、その数が少なく、しかもボード上のマスを消化する度にどんどんシナリオが解禁されていくため、1つのルートを攻略し終わる頃にはとっくに全解禁されており、後はショートシナリオを見返すだけの機能と化す。 ショートシナリオをコンプリートしたコースは選択肢から消える上、そのまま放置しているとなんとRABIが勝手に移動して自動的にショートシナリオを回収してくれる親切設計の所為で、コンプリートの難度も非常に低い。 挙句、RABI自体このシステムが解禁されて以降は全くと言っていいほどストーリーに絡む事は無く、精々、主人公が外出するための口実に利用される程度でしかない。 また、回収するショートシナリオは完全にコース依存なので、本編ストーリーの状況は関係無い。 立ち絵の種類がやや寂しい 主人公、花婿候補、春日には2種類のポーズ差分があるのだが、それ以外のキャラには無い上に全体的に特徴的なポーズが多いため、違和感を覚えてしまうことも。 特に主人公の友人2人は全編に渡って登場するキャラなので気にしてしまうと特に目に付く。彼女達にも衣装差分はあるのだからポーズもあっても良かったのではないだろうか(*6)。 バックログ関連 作中ではいわゆるLINE的なSNS「WHIS」が存在し、ストーリー中やバリケードボード選択中にこれで他のキャラとやり取りができる(返答は固定)。 これがストーリー中でWHISを使うシーンの場合、WHIS画面が開いている間は本来のシステムからは切り離されているらしく、その部分のテキストはバックログで見返す事が出来ない。また、WHIS使用中もバックログは使えない。 例えば、WHISでやり取りをしながら主人公が独り言を呟くシーンだったとすると、バックログからはその独り言が丸々消えてしまう。WHIS画面を見ながら喋るシーンは結構あるので、見返したくなった時に不便である。 総評 逆攻略系というだけではなく、そこに癖の強いヒーロー達を揃えることで「落とされたくない」ヒロインの立場を体験するという実にユニークな一作。 それ故に良くも悪くも強烈なキャラが揃っており、単純に乙女ゲーとしてのハードルは上がり、ADVとしても人を選ぶ面があるのは否めない。 その分、キャラの個性が気に入った人にとってはそれを存分に楽しめる作りとも言える。 ちょっと変化球のある一風変わった乙女ゲーをプレイしたい人は手に取ってみても良いだろう。